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世界の音楽情報誌「ラティーナ」

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記事一覧

キンテート・デル・アンヘル、父アンヘルの愛した日本 Production Notes

文・本田 健治  今、日本を縦断公演しているキンテート・デル・アンヘルの公演。東京は2月13日文京公会堂で、昼夜満員の大盛況で、強烈な演奏で、日本のタンゴ・シーンに強烈な足跡を残した。当然事前に用意していた物だが、このままにするのはもったいないので、ここに一気に掲載。  キンテート・デル・アンヘル。1年前、この名前を聞いてすでに知っていた人は相当なタンゴ通だったに違いない。ウンベルト・リドルフィ、今までにもいくつかのグループのバイオリン奏者として来日して、すでにファンも獲

[2024.2] 【映画評】『ミツバチのささやき』から半世紀、ビクトル・エリセから届いた新たな傑作!〜『瞳をとじて』

『ミツバチのささやき』から半世紀、 ビクトル・エリセから届いた新たな傑作! 『瞳をとじて』 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター)  リュミエール兄弟が映画を発明してから約130年の歴史の中で、時代も国境も超えて今も輝き続ける多くの傑作映画が生み出されてきたが、ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』もその1本だということに誰も異論はないだろう。1973年の作品だが日本では1985年に初公開されて大ヒットを記録し、その後のミニシアター・ブームの先鞭を付けたとも言える。ま

[2024.1]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~15】にわかに良作が続くセネガル音楽シーン

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  様々なジャンルを同時進行的に追っていると、たまにまったく相容れそうにないフィールドから同じ方向に向かっている動きを観測できることがあるが、最近にそれが起こっているのがセネガルの音楽だ。セネガルといえば、80年代のワールド・ミュージック隆盛期の旗手的存在となったユッスー・ンドゥールのンバラを筆頭に、強靭なサバ―ル・ドラム、アフロ・ラテン音楽、ヒップホップ、ジャズなどのあらゆるジャンルにおいて才人を輩出し続けてきた西アフリカ

[2024.1]【連載タンゴ界隈そぞろ歩き ⑩】コロン劇場1972

文●吉村 俊司 Texto por Shunji Yoshimura 今回は、先日公開されたBest Albums 2023 ④にて私が挙げたアルバムに関する話を掘り下げてみる。 対象とするのは以下の2つ。 Horacio Salgán y su orquesta / Teatro Colón 1972 Astor Piazzolla y su Conjunto 9 / Teatro Colón 1972 両アルバムとも1972年にブエノスアイレスのコロン劇場でのラ

[2024.1] 【映画評】まったく真逆の表現で心を揺さぶるヨーロッパから届いた2本の冒険物語 『哀れなるものたち』『ゴースト・トロピック』

まったく真逆の表現で心を揺さぶる ヨーロッパから届いた2本の冒険物語 『哀れなるものたち』『ゴースト・トロピック』 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター)  もうすぐ公開される、ヨーロッパから届いた2本の映画を紹介しよう。1本はギリシャ、もう1本はベルギーの監督による作品で、いずれも女性が主人公の冒険物語だ。  『哀れなるものたち』(23)は、『籠の中の乙女』(09)がカンヌ国際映画祭ある視点賞を受賞して以来、発表する作品すべてが主要な国際映画祭のメイン部門でノミネート/受

[2024.1]Best Albums 2023 ④

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●清川宏樹個人的には、コロナ禍を経てタンゴへの熱狂はやや冷めてしまったようで、少し距離を置いて過ごした1年だった。溌溂とした新鮮さと驚きに満ち、かつタンゴとしてのアイデンティティを持った新作は、実はあまり多くないのかも知れない。けれどもここに挙げた作品(①~⑤)には、新しい音への野心や、先人たちへの敬意といった、リスナーを惹きつける磁力を感じた。①は古典タンゴの様式美をモ

[2024.1]Best Albums 2023 ③

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●長屋美保メキシコでアーリーレゲエ系アーティストたちの公演が多くあったために、日常ではジャマイカ音楽ばかり聴いていたが、新たな発見も多かった1年。1〜6はメキシコのアーティストたち。1と2はミクスチャー・ラテングループのロス・アグアス・アグアスのシンガー、ハラーナ奏者のエドゥイン・バンダラ・マヨラルが参加するアフロカリブ系伝統音楽のソン・ハローチョを新しい形で聴かせるプロ

[2024.1]Best Albums 2023 ②

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●宇戸裕紀以前ラティーナで働いていた頃は山のようにCDを聴いていた中から10枚に絞るのにかなり苦労したものだが今ではCDに触れることが少なくなった分、絞り出すのに苦労するようになった。そんな中でもまずはガイア・ヴィルメルの圧巻のラインナップにはブラジルの豊穣さを感じた。アルゼンチンからはラテンアメリカの深い精神性がにじみ出たようなサンティアゴ・アリアスがバンドネオンで描き

[2024.1]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」 ㊷】 Marisa Monte 『Portas (Ao Vivo)』

文:中原 仁  マリーザ・モンチが2023年12月、「2021年ブラジル・ディスク大賞」第1位を獲得した『Portas』のコンサートのライヴ・アルバムをデジタル・リリース、同時に公式映像もYouTubeに公開した。2022年から23年にかけて国内と欧米をめぐり、80超の都市で150超の公演を行ない、トータル50万人以上を動員した大規模なコンサート・ツアーの前半、2022年10月にマリーザの自宅があるリオのガヴェア地区、ジョッキークラブ(競馬場)内の会場、Arena Jock

[2024.1]2023年ブラジルディスク大賞 関係者投票④

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。 (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●松岡康史①③⑤などインディーズ感あるブラジル新世代をよく聴いた1年でした。①はたぶん誰もが選ぶであろう今年を代表するアルバムかと。来日もした(行ってない泣)④も彼の最高傑作かな。⑦はカエターノの聴き慣れた曲たちの斬新アレンジに驚いた。意外と大御所のリリースが少なくますます世代交代真っ只中って感じのブラジル。 1. アナ・フランゴ・エレトリコ / ミ・シャマ・ヂ・ガト・キ・

[2024.1]2023年ブラジルディスク大賞 関係者投票③

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。 (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●西島浩一郎再発を含め新譜のリリースがレコード盤で入手できるのは非常に嬉しい。10枚選んだ。1位は進化し続ける歌姫グレッチェン。卓越したリズム感とリオネルの打楽器的なギターは最高。エリスの1969作のカヴァーも素晴らしい。②③はジョアン親子がランクイン。⑤はブラジリアン・グルーヴマスターからの日本のシティポップス界への究極の挑戦状。⑦ドナートの歌伴名演奏。⑩はトニーニョの明る

[2024.1]2023年ブラジルディスク大賞 関係者投票②

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。 (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●高木慶太2022年との大きな違いはブラジル人アーティストの来日が圧倒的に増えたこと(一方でレジェンドたちの訃報を聞く機会も少なくなく。何度呆然としたことだろうか)。中でも Bala Desejo の本邦初登場は、のちに振り返った時に今以上に大きな意味を持つだろう。なにしろ来年には早くもブラジル本国でフェアウェルツアーが始まってしまうのだから。メンバーのソロ作品が充実一途だけ

[2024.1]2023年ブラジルディスク大賞 関係者投票①

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。 (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●麻生雅人今年もR&Bのリリースはそれなりにあったけれどパッとしなかった印象。その一方でアナ・フランゴや、“クルビ・ダ・エスキーナ×ビージーズ” なフェスタ・テンペスターヂなど、MPBの作り手の間で70~80年代ソウルやディスコ・サウンドLOVEが目立った気がします。アナガブは、本年の選考には入れられないけど11月に出たアコースティック作品もいいです。ヴィニの歌声は父ジョルジ

[2024.1] 決定! ブラジルディスク大賞2023

本誌とJ-WAVEの長寿番組「サウージ!サウダージ・・」が共同主催、28回目を迎えたブラジル音楽の年間アルバム・ベスト10「2023年ブラジル・ディスク大賞」。総数3,064通(前年比+131)の一般投票、関係者投票のベスト10が決定しました。投票にご参加くださった皆様、ありがとうございました。 関係者投票は21名の選者が各10作品を選出し、1位を10点、以下1点刻みで10位を1点と計算した。 関係者投票の順位は参考にとどめ、選者ごとのベスト10を通じ、ブラジル音楽に対す