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[2024.1]Best Albums 2023 ③

2023年ベストアルバムを選んでいただきました!
(カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)

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長屋ながや美保みほ

ライター、アジア食堂運営。2007年よりメキシコシティ在住。現地の面白い音楽を探す日々を送る。

メキシコでアーリーレゲエ系アーティストたちの公演が多くあったために、日常ではジャマイカ音楽ばかり聴いていたが、新たな発見も多かった1年。1〜6はメキシコのアーティストたち。1と2はミクスチャー・ラテングループのロス・アグアス・アグアスのシンガー、ハラーナ奏者のエドゥイン・バンダラ・マヨラルが参加するアフロカリブ系伝統音楽のソン・ハローチョを新しい形で聴かせるプロジェクト。作品だけでなく、ライヴも最高だったのは、1、4、6、7、10。スペインの伝説のロックステディ・グループ、ロス・グラナディアンズ・デル・エスパシオ・エクステリオールのギタリストだったティト・ラミレスのプロジェクトの7は、ブーガルーやマンボ、チャチャチャなどのラテンをガレージロック風味で痛快に演奏。クレイジー・ケン・バンドさながらのパフォーマンスに魅了された。

(順不同)アーティスト名 / タイトル
 1. Biomigrant & El Monte Adentro / Voz Emplumada

 2. Manguito con Chile / Patrona del Manantial

 3. Champetos del JuJu / Máquina de Dinero

 4. Los Guanábana / Los Guanábana

 5. Vanessa Zamora / DAMALEONA

 6. Bocafloja / Después de Mañana

 7. Tito Ramírez / El Prince

 8. Mitú / Astra

 9. Rudy de Anda / Closet Botanist

 10. Y La Bamba / Lucha


●成田佳洋

レーベルNRT代表、ときどき文章。
sense of quiet MUSIC LAB、SALO LIBRARY運営、MODERN LIVING 『音の美学のある暮らし』選曲/監修など。

神奈川県大磯町のSALOというレコーディングスタジオの1F部分を借りることになり、お店というかギャラリーのようなスペースを運営していくことになった。
2023年はSALOでNair Mirabrat、伊藤志宏/藤本一馬、鈴木大介のライブ主催と、共催でもいくつかライブを行った。2024年は笹久保伸、ショーロクラブほか、NRT設立20周年ということで色んなイベントをやっていく予定。https://www.mynameissalo.com/

リスナーとしては古今東西の室内楽、ニューエイジ・ジャズ、R&Bを中心に豊作の一年。何よりK-POPの実験性とパワー、多幸感に今年も救われた。
秋口までコロナや腸炎で不調が続き、多くの方にご迷惑とご心配をおかけしました。いまは能登半島地震の救援と復興、そしてやる気のない政府の一刻も早い退陣を願います。

ジョアナ・ケイロス & 笹久保伸 / ピクチャー(LP)(Joana Queiroz & Sasakubo Shin / Picture(LP))

フレデリコ・エリオドロ / ザ・ウエイト・オブ・ザ・ニュース(Frederico Heliodoro / The Weight Of The News )

Erika Ribeiro & Tatiana Parra / Entre Luas

ゼー・イバーハ / マルケス, 256.(Zé Ibarra / Marques, 256.)

Victoria Monet / Jaguar Ⅱ

Meshell Ndegeocello / Omnichord Real Book

リトル・シムズ / ノー・サンキュー(Little Simz / No Thank You)

Viktor Orri Aurnason / Poems

NewJeans / Get Up

石若 駿 / Songbook6


●二宮大輔

翻訳家
観光ガイドをしつつ、イタリアの文芸翻訳や映画字幕の仕事をしています。あとバンドもしています。

ベストアルバムの話から脱線するが、日本のインディーズの新しい音楽にピンとこなくなった。本来、自分がぜったい好きな系譜と思われるアーティストを聴いてもピンとこない。音にコシがないというか、メロディやアレンジや歌詞以外の何かが足りなくて薄っぺらく聴こえてしまう。私を「老害」と認定して一笑に付してもらってもかまわないが、自分にとっては大事な問題なので、何が足りないのか考えてみた。ここで比較対象として、イタリアのインディーズの新人を聴くと、めちゃくちゃコシがある。共通項として見えてくるのは異なる言語や文化の混淆である。ルーマニア生まれのイタリア語アンビエントポップス⑧、ナポリ弁のインディーズパンクにエレクトロニカの要素を足した⑨、サルデーニャ島土着の言葉で歌う⑩など、いずれもハイブリッドな要素が歌の強度を高めている。もちろん、日本にもそういった音楽はあると思うが、自分は上手くリーチできていない。

① Everything But the Girl / Fuse

② cero / e o

③ Cornelius / Dream in Dream

④ Rufus Wainwright / Folkocracy

⑤ Wilco / Cousin

⑥ Blur / The Ballad of Darren

⑦ Colombre / Realismo magico in Adriatico

⑧ Rareș / Femmina

⑨ Thru Collected / Il Grande Fulmine

⑩ Daniela Pes / Spira

 

●吉本秀純

大阪市在住の音楽ライター。毎月末更新の連載〝境界線上の蟻(アリ)〟を引き続きよろしくお願いします!

連載コラムで取り上げた①③⑤⑧に関しては、リンク記事をご参照ください。②は躍進を続けるアフロビーツ勢のなかでも一歩抜けていた。沖縄の女傑が15年ぶりに放った④は、真摯な反戦メッセージ、汎アジア的な音世界、坂本龍一へのオマージュも含めて圧巻。レユニオンの才媛による⑥は、ヤエル・ナイムやギャビ・アルトマンらの無国籍フレンチがお好きな方も是非。本誌では説明不要な⑦は、華やかさを増した音の中にもどこかパンクな尖りを感じさせるのが良かった。中国の気鋭レーベルと南米電化フォルクローレの名レーベルが合流した⑨は、現代のエスペラントな未来派野郎か。タイトル通りインドネシア音楽の黎明期を掘り起こした⑩も、洒脱な佳曲が満載で楽しい内容でした。

① BCUC / Millions Of Us(On The Corner)

② Asake / Work Of Art(YBNL Nation/Empire)

③ エンジ / ウラン (Enji / Ulaan)(Squama)


④ 古謝美佐子 / 平和星☆願い歌(ディスク・ミルク)

⑤ Silvia Perez Cruz / Toda La Vida, Un Dia(Sony Espana)

⑥ Oriane Lacaille / iViV(Ignatub)

⑦ アナ・フランゴ・エレトリコ / ミ・シャマ・ヂ・ガト・キ・エウ・ソウ・スア(Ana Frango Eletrico / Me Chama de Gato que Eu Sou Sua)(Think!)

⑧ Arooj Aftab, Vijay Iyer, Shahzad Ismaily / Love In Exile(Verve)

⑨ V.A. / bie Records meets Shika Shika(bie/shika shika)

⑩ V.A. / Padang Moonrise: The Birth of the Modern Indonesian Recording Industry (1955-69)(Soundway)

(ラティーナ2024年1月)

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