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Web版 2022年5月

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#ブラジル音楽

[2022.5] 【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉓】ドラマ放映に間に合わなかった歌詞 - 《Anos dourados》

文と訳詞 : 中村 安志 texto por Yasushi Nakamura  ブラジル最大手テレビ局のグローボ(TV Globo)は、ブラジル全国のお茶の間に向けた数々のテレビドラマを生み出していることでも知られます。日本でもどこかで用いられた「テレビ小説」のような意味の「Tele-novela(テレ・ノヴェーラ)」という名称で広く知られ、高い人気を誇り、同じ言語圏のポルトガルにも輸出されてもいます。  この連載の20回目でご紹介したガブリエラのように、ジョビンが

[2022.5]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉕】カーニヴァルでの苦々しい再会 — 《Quem te viu, quem te vê》

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  ブラジルにおいて、カーニヴァルは、多くの市民の節目となる年中行事。日本の夏祭りの夜の幻想が、それまでの暮らしの回想や、その先の夢をもたらすことがあるように、ブラジルの人々にとって、日々暮らすコミュニティでの生活や人間関係の変化、夢に描いていることが更に膨らんだり消えてしまったり。お祭りとは、そんな様々なことが起きる、非日常のひとときなのかもしれません。 ↑この曲の最初の録音

[2022.5]【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉒】初のヒット曲に冠された妻の名前 ⎯ 《Tereza na praia》

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução : Yasushi Nakamura  まだプロ活動を開始していなかった1947年当時、音楽を習っていた恩師から与えられた課題の一環として、20歳のジョビンが作曲した「Imagina」が、彼のほぼ最初の作品ではないかというお話を、この連載の18回目で申し上げました。今回は、その後音楽家としてのキャリアを徐々に築いていった過程で作られ、ジョビン初のヒットと位置付けられてもよい、「Tereza na praia(浜辺のテレ

[2022.5]【中原仁の「勝手にライナーノーツ㉒」】 Verônica Ferriani 『Diário de Viagem Cantado』

文:中原 仁  2013年に初来日公演を行なった、サンパウロ州内陸出身のヴェロニカ・フェヒアーニ(1978年生まれ)。2003年、作曲家/ギタリスト、シコ・サライーヴァとの共演でプロ活動を開始した。サンバの名曲も歌い、ダニ・グルジェルを中心とするノヴォス・コンポジトーリスの一員としても活動。2009年、ビヂのプロデュースでデビュー・アルバム『Verônica Ferriani』を発表。シコ・サライーヴァとの双頭でシコ作品集のアルバム『Sobre Palavras』も発表した