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Web版 2022年11月

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2022年11月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額…
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#音楽

[2022.11]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ㉘】 アオウミガメの旅 ―小笠原で生まれ、育まれた子どもの歌―

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  世界的に個体数が減り、絶滅も危惧されるアオウミガメの日本最大の産卵地が小笠原です。小笠原海洋センターは、魚類や鳥類などの天敵から捕食される確率を低くするため、父島の海岸で回収した卵を人工ふ化し、数ヶ月飼育して放流しています。アオウミガメは、採食を行う地域と産卵地の間を回遊することが知られています。小笠原諸島で産卵する個体群は、南日本や南西諸島で採食することが知られますが、放流した個体が東のハワイの手前に向かった例も観察されています。

[2022.11]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~2】 Fulu Miziki(コンゴ民主共和国)

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  コンゴ民主共和国発のポピュラー音楽といえば、その代表格は言うまでもなくルンバ(スーク―ス、リンガラ音楽)。しかし、2000年代に入った頃から注目されるようになってきたのが、廃車の部品や使用済みのポリタンク、空き缶といったキンシャサの街に転がっている〝ジャンク品〟を改造して組み立てた自作楽器を使ってユニークなサウンドを奏でる面々だろう。電気増幅した親指ピアノで世界中にインパクトを与えたコノノNo.1もマイクやスピーカー、打

[2022.11][悲報]ヌエバ・トローバの創設者、パブロ・ミラネス、マドリードで死亡!

編集部  キューバの偉大なシンガー・ソングライター、パブロ・ミラネスのFBに掲載されたこの一文に世界は嘆き悲しんだ。 「大きな痛みと悲しみをもって、巨匠が今朝11月22日未明、マドリードで亡くなったことをお知らせします」  パブロ・ミラネスは、ここ数年は体調不良で、ステージを離れることはあっても、ステージへの愛着は人一倍だった。事実、この11月30日に、メキシコシティの市立劇場であの素晴らしい声を満員の聴衆に聞かせることになっていたし、その後も、新年の2月からスペイン公

[2022.11]【琉球音楽周遊❺】 ~宮古島の島うた①| 宮沢和史

文●宮沢和史 *以下敬称略  宮古島では五穀豊穣、弥勒世を願う祈願、感謝のために神と交信しようという神唄が多く歌われてきた。その一方で、島にまつわる重要人物についての物語を記すものや、教訓歌など、島民の生活の営みを歌にしたものを「アーグ」ないしは「アヤグ」と呼ぶ。宮古島は山の無い平面的な地形で、水を確保するのが大変困難で干ばつに苦しんできた歴史をたどっている。そのため、歌による神との交信が頻繁に行われ、雨乞いの歌である “声合” の歌たちを大勢で歌い踊る文化も発達した。こ

[2022.11]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉘】 Russo Passapusso, Antonio Carlos & Jocafi 『Alto da Maravilha』

文:中原 仁  まだ地元バイーアでもオルタナティヴな存在だった2013年夏に初来日、フジロックに出演し東京でもライヴを行なった、バイアーナシステム。2017年、バイーアのカーニヴァルで大ブレイク、今ではバイーアのアフロ・ミクスチャー・ポップをリードする存在のバンドとなった。 BaianaSystem 2013/7/29 at 渋谷WWW  バイアーナシステムの頼もしいフロントマンが、来日公演でも抜群の声の存在感を発揮していたフッソ・パッサプッソ(1983~)。2014年

[2022.11]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2022年11月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 VRï · Islais a Genirレーベル:Bendigedig [23] 19位 Okra Playground · Itkuレーベル:Nordic Notes [-] 18位 BKO

[2022.11]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉟】 上からでも下からでも読める歌詞 — Corrente

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  シコ・ブアルキは、ポルトガル語の歌詞を、実に巧妙に操ります。多くの作品において、誰かを批判した内容であるのに、そう見えない歌詞になっていたり、文脈や着眼点次第で二重三重にも異なる意味を感じ取ることができる複雑な作品があったりと、卓越した技を見せてきたことについて、この連載で何度かご紹介してきました。  中には、体制批判の歌に数えられる作品とみられつつも、表面上は一切非難する

【追悼】[2022.11]悲報!!! ブラジル最高の女性歌手、ガル・コスタ逝く!!!

文●本田 健治 texto por Kenji Honda  ブラジルから悲しすぎる報せが届いた。  2022年11月9日、ブラジル・ポピュラー音楽界の至高の歌手、ガル・コスタがサンパウロの自宅で、77才の生涯を終えた。  前の週に、サンパウロで開かれた大きなフェスティバル「プリマベーラ・サウンド」というイベントのアトラクションに出演する予定だったが、少し前に行った右鼻窩のしこりを取り除く手術の回復が思わしくなく、休養が必要なため、直前で参加を取りやめていた…。  5