[2020.12]宇戸裕紀【特集 私が選ぶラテンアメリカの本】
選・文●宇戸裕紀
遠くにある異国のあり方を深く知るためには多くの手段がある。ニュース、外国語会話学校、旅行、留学、料理、音楽、文学、映画…どれもがその国の側面を映し出しているが一つだけでは不充分だ。そのいくつかをバランスよく摂取することでお互いが補完しあって、生き生きとした経験として身体に染み渡っていく。私がスペイン語を学び始めたひとつのきっかけがスペイン・ラテンアメリカの文学を直接原語で触れることができるからだったが、その魅力に改めて気がつくのは住んでみて文学で読んだよ