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Web版 2020年12月

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#メキシコ

[2020.12]ナタリア・ラフォルカデ ─ 深化を続けるメキシコのSSW。この10年の活動を追う ─

文●志田朝美   2020年11月、第21回ラテングラミー賞の結果が発表された。  主要部門である「Album of the Year(最優秀アルバム賞)」含む計3部門にノミネートされ、その全部門で受賞という快挙を果たしたのは、ナタリア・ラフォルカデ(Natalia Lafourcade)だ。  ナタリアは、ハープシコーディストの父とピアニストの母を持ち、クラシックに影響を受けたソングライティングを軸に17歳で音楽活動をスタート。デビュー当初よりグラミー&ラテングラミー賞

[2020.12]【「ラ米乱反射」電子版 第5回】ラ米の2020年重要ニュース

文●伊高浩昭(ジャーナリスト) ▼コロナ疫病COVID19猛威振るう ラ米最大のニュースは世界の他地域同様に、現在進行中のコロナ疫病「COVID19」の爆発的流行である。2020年12月半ばの時点で、世界最悪感染状況上位15カ国に、3位ブラジル、9位アルゼンチン、10位コロンビア、12位メキシコ、15位ペルーと、5カ国が名を連ねた。「暴君」型で反知性主義のジャイール・ボウソナロ大統領施政下のブラジルは、大陸国家の巨体を持て余してアマゾニアの森林を破壊したり、コロナ禍への的確

[2020.12]長屋美保【特集 私が選ぶラテンアメリカの本】

選・文●長屋美保  ガルシア・マルケスの『百年の孤独』を読んでも、登場人物が多すぎて、混乱して終わったような筆者にとって、ラテンアメリカ文学でよく言われる、マジックリアリズムは、未だに謎だ。メキシコで10年以上暮らし、日常では、シュールなことが頻繁にあり、「これが、いわゆるマジックリアリズムなのか!」、と思うこと然りだが、腑に落ちない。そういえば、現地の人たちは、ラテンアメリカ文学を語るときに、敢えてマジックリアリズムを強調してない。それは彼らの方が小説よりもマジックリアリ