世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2021.02]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ⑦】レモングラスとレモン ―…

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  前号(2021年1月号)では、チューク環礁の高校生が20年くらい前に作った ≪Cry≫(別称≪50 plus 1≫)という歌をご紹介しました。さわやかな長調のメロディ、C-A-F-Gのコード(I-Ⅵ-Ⅳ-Ⅴ)をレゲエのリズムで刻んだ曲です。素朴な歌詞をよく読むと、クラス…

[2021.01]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ⑥】チューク環礁の恋の歌、…

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  チューク(旧トラック)環礁の人々は、ミクロネシアでは「歌や踊りが上手い」と評判。今ではあまりなじみがないかも知れませんが、1922年に現・パラオ共和国のコロール(2020年12月号で紹介)に南洋庁が設置される前、1914年日本海軍が司令部を置いたのがチ…

[2020.12]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ⑤】パラオ共和国における人…

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  歌が上手い人って羨ましいなぁ、といつも思います…どんな島に行っても、みんなとすぐに仲良くなれるんじゃないかなぁって。これまでご紹介したミクロネシア北西部の島々では、グアムのビリンバオトゥーザンなど一部を除いて器楽はあまり発達せず、歌がさま…

[2020.11]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ④】アンガウル島から消えた…

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  本連載のキーワード「サウンドスケープ」は、カナダ人作曲家M.シェーファー(1933〜)による造語で、「音の風景」を意味します。「春はあけぼの…」で始まる清少納言の『枕草子』に、「秋は夕暮れ…日入りはてて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず…

[2020.10]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ③】甘い誘惑、苦い過去 ―北…

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  トマト、ジャガイモ、トウガラシなど、私たちの生活にもなじみ深い農産物の多くが意外にも南米原産で、大航海時代以降世界中に広まったことが知られていますよね。サトウキビの世界生産量トップは、ブラジル。だからそれも南米原産だと思いきや、およそ8,000…

[2020.09]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ②】ヴァイオリン、教会の坊…

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  大航海時代、世界各地にカトリックを広めたのがイエズス会士でした。F.ザビエル (1506-1552)もその一人。この頃、宣教師たちはモノフォニー(単旋律)のグレゴリオ聖歌に加え、ポリフォニーのミサ曲等もうたっていました。複数のパートが同等に進行するポリ…

[2020.08]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ①】アフリカから伝わったグ…

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  「ラティーナ」ファンの皆さん、はじめまして。これからしばらく太平洋諸島のちょっと素敵な音景観と文化について、共に味わっていきたいと思います。  太平洋諸島はリゾートやダイビング等で知られていても、その音楽や文化にあまり触れることはないかも…

[2020.08]【沖縄・奄美の島々を 彩る歌と踊り①】 沖縄の神行事−他界からのカミを迎…

文:久万田晋(くまだ・すすむ 沖縄県立芸術大学・教授)  沖縄の夏の風物詩といえば、若者が太鼓を片手に勇壮に踊り歩くエイサーや、地域の人々が東西に分かれて雄雌の綱を熱狂的に引き競う大綱引きがまっさきに思い浮かぶ。このように沖縄には、暑い夏の期間に多くの祭りが集中している。民俗学で…