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世界の音楽情報誌「ラティーナ」

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#ワールドミュージック

[2024.3]【境界線上の蟻(アリ)~Ants On The Border Line〜17】Eda Diaz(コロンビア)

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  コロンビアの音楽といえば真っ先に思い浮かべるのはクンビアだが、最近ではJ・バルビンやカリ・ウチス、もう少し遡ればシャキーラといった世界的なポップ・スターを次々と輩出している国でもあり、そのイメージはもはや世代によって様々だろう。今回に紹介するエダ・ディアス(Eda Diaz)は、フランス人の母親とコロンビア人の父親を持ち、パリとコロンビア第二の都市であるメデジンの間を行き来しながら生まれ育ってきたシンガー兼コントラバス奏

[2024.3]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2024年3月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Batsükh Dorj · Ögbelerim: Music for My Ancestorsレーベル:Buda Musique [2] ↓国内盤あり〼。(日本語説明帯付きCD) 19位 Hy

[2024.2]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2024年2月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Luzmila Carpio · Inti Watana / El Retorno del Solレーベル:ZZK [5] 19位 Lenhart Tapes · Densレーベル:Glitter

[2024.2]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~16】サインホ・ナムチェラク&内橋和久(トゥバ、日本)

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  このコラムのvol. 12でも紹介したモンゴル出身でドイツを拠点に活動するエンジ(Enji)や、鮮烈なインパクトのMVを次々と制作してワールドワイドな注目を高めているシベリアの先住民族チュルム人のメンバーで構成された新世代グループのオティケン(Otyken)など。伝わってくる情報などは少ないながらも、これまでにない感覚を放つ音楽家が次々と台頭してきている感のあるシベリア~中央アジアの音楽シーンですが、80年代末から90年

[2024.1]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~15】にわかに良作が続くセネガル音楽シーン

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  様々なジャンルを同時進行的に追っていると、たまにまったく相容れそうにないフィールドから同じ方向に向かっている動きを観測できることがあるが、最近にそれが起こっているのがセネガルの音楽だ。セネガルといえば、80年代のワールド・ミュージック隆盛期の旗手的存在となったユッスー・ンドゥールのンバラを筆頭に、強靭なサバ―ル・ドラム、アフロ・ラテン音楽、ヒップホップ、ジャズなどのあらゆるジャンルにおいて才人を輩出し続けてきた西アフリカ

[2024.1]Best Albums 2023 ④

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●清川宏樹個人的には、コロナ禍を経てタンゴへの熱狂はやや冷めてしまったようで、少し距離を置いて過ごした1年だった。溌溂とした新鮮さと驚きに満ち、かつタンゴとしてのアイデンティティを持った新作は、実はあまり多くないのかも知れない。けれどもここに挙げた作品(①~⑤)には、新しい音への野心や、先人たちへの敬意といった、リスナーを惹きつける磁力を感じた。①は古典タンゴの様式美をモ

[2024.1]Best Albums 2023 ③

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●長屋美保メキシコでアーリーレゲエ系アーティストたちの公演が多くあったために、日常ではジャマイカ音楽ばかり聴いていたが、新たな発見も多かった1年。1〜6はメキシコのアーティストたち。1と2はミクスチャー・ラテングループのロス・アグアス・アグアスのシンガー、ハラーナ奏者のエドゥイン・バンダラ・マヨラルが参加するアフロカリブ系伝統音楽のソン・ハローチョを新しい形で聴かせるプロ

[2024.1]Best Albums 2023 ②

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●宇戸裕紀以前ラティーナで働いていた頃は山のようにCDを聴いていた中から10枚に絞るのにかなり苦労したものだが今ではCDに触れることが少なくなった分、絞り出すのに苦労するようになった。そんな中でもまずはガイア・ヴィルメルの圧巻のラインナップにはブラジルの豊穣さを感じた。アルゼンチンからはラテンアメリカの深い精神性がにじみ出たようなサンティアゴ・アリアスがバンドネオンで描き

[2023.12]Best Albums 2023 ①

2023年ベストアルバムを選んでいただきました!第一弾です。 (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) 年明けにも順次掲載予定です。 ●おおしまゆたか 番外でナスポンズの3曲入りマキシ・シングル(?)「ナスの缶詰めVer.1」。今年はジャズばかり聴いていた。⑧はウェールズとアイルランドの伝統音楽だが、精神はジャズだ。一方⑦はECMだが、中身はフォーク・ミュージック。②はジャズと伝統音楽の理想的合体。伝統音楽では、⑨が今イングランドのフォーク界最高のデュオによるク

[2023.12]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~14】 BCUC(Bantu Continua Uhuru Conciousness)(南アフリカ)

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  南アフリカ発の音楽の動向も最近は様々な角度から伝わるようになってきたが、おそらくここ数年のヨーロッパのライブ・シーンにおいて最も熱い注目を集め続けているグループはBantu Continua Uhuru Conciousness、略してBCUCだろう。〝バントゥー系民族の自由意識連続体〟とでも訳すことのできる硬派なネーミングからも伝わってくるように、2004年ごろからソウェトにあった船舶コンテナを改造した公共レストランで

[2023.12]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2023年12月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Mohammad Motamedi & Rembrandt Trio · Intizarレーベル:Just Listen [39] 19位 Emilia Lajunen · Vainaan Per

[2023.11]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2023年11月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Tinariwen · Amatssouレーベル:Wedge [10] ↓国内盤あり〼。 ↓6年ぶりに来日し〼。(12月に東京・大阪でライヴ開催!) 19位 Ana Carla Maza ·

[2023.10]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~13】 予測不能な底知れなさを秘めている南アフリカ・ジャズ界の異能ギタリスト Sibusile Xaba(シブシル・シャバ)

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  この10年ほどの間に新世代勢が躍進し、ワールドワイドな注目をますます高めている南アフリカのジャズ・シーン。間もなくその発火点となったシャバカ&ジ・アンセスターズがビルボードライブ東京において初来日公演を行い、エスペランサ・スポルティングにも通じる柔軟にしてしなやかな音楽性で独自の世界を深化させてきたキーボード奏者&ボーカリストの Thandi Ntuli(タンディ・ンツリ)もUS現代ジャズの最重要レーベルである≪Inte

[2023.10]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2023年10月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Fatoumata Diawara · London Koレーベル:3ème Bureau / Wagram Music [19] 19位 Bantu · What Is Your Breakin