[2023.4]追悼 : 坂本龍一が去った世界
文●宮沢 和史 texto por Kazufumi Miyazawa
何から書き始めていいか分からない。坂本さんの音楽への思いや、坂本さんとのいくつかの思い出を語れば、与えられた文字数でこの原稿を埋めることはできるだろう。だが、そんなものはどうでもいい気がしてきた。世界中の音楽家、音楽ファンの心に流れていた大きなひとつの水系を我々は失くしてしまったのだ。今はまだその水脈の素晴らしさや、そこからいただいた恵み、そこでの思い出を語る気にはなれない。
世界中の音楽家、音楽