[2021.07]【島々百景 第62回】 トメアスー ブラジル【文と写真 宮沢和史】
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[2021.07]【島々百景 第62回】 トメアスー ブラジル【文と写真 宮沢和史】

文と写真●宮沢和史

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 ブラジルの北部パラー州のトメアスーという小さな村の土を初めて踏んだのは2008年の1月のことだった。アマゾン川河口域に広がる大都市ベレン で「アマゾン トラベル サービス」を営む佐賀県出身の北島義弘さんの案内で小型軽飛行機に揺られ、直線距離で200km程度内陸に飛んだところに突如その村は現れた。日本人が移民として20世紀の初めに入植し、未開の地を切り開き、そこに村を興したのだと聞いてはいたが、実際に自身の身で現地に向かってみると、なぜこんな奥地に日本人は活路を見出そうとしたのか? 正直ピンとこなかった。ベレンから軽飛行機では40分強程度のフライトだったが、車で移動すると4時間はかかる。初期移民はどうやってベレンから移動したのか想像すらできないような奥地だ。ガイドの北島さんは「僕は昔あの軽飛行機で墜落したことがあるんだ。パイロットは亡くなったけど、僕は幸運にも助かった」そう言って笑っていたが、今言わないで欲しいとその時思ったものだ。余談だが、2018年のブラジル日系移民110周年の年、歌を歌いにサンパウロの “サンパウロ エキスポ&コンベンションセンター” で行われた記念式典に参加させてもらったのだが、日本国代表者として式典の壇上に立たれた眞子内親王殿下を拝見した日系人たちの歓喜に湧く姿は大変感慨深いものがあった。いくら時代が変わっても皇室の方々に祝福されることは日系人にとって最大限の労いであり、誇りなのだ。日本政府から誰も参列しないことに疑問を感じ、受け入れ側の式典委員会の方に尋ねたら「もちろん招待はした」と言っていた……。聞くところによると眞子様は2週間の行程でブラジルの日系人ゆかりの地5州14都市を周られている最中だという。ブラジル国土の大きさ、都市と都市の間の距離感を知っている自分には信じられない行程だが、さらに驚いたのはアマゾン地域のマナウス、ベレン、そして、トメアスー、にもこの後訪問すると聞き、「まさかあの飛行機に乗せるつもりか??」とめまいがしたが、後で写真を見てみたら我々が乗ったものより二回りほど大きく綺麗なチャーター機でホッとした。

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