見出し画像

【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い⑬】暗い元歌を明るいものに変えてしまった美女 — イパネマの娘 —

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura

※こちらの記事は、1/5(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。
 シコ・ブアルキとトン・ジョビンの作品についての中村安志氏の大好評の二つの連載ですが、今回はトン・ジョビン、今年の締めに、いよいよボサノヴァ最高の有名曲です。両連載は新年もまだまだ続きます。ご期待くださいね。(編集部)

 「見ろ、なんて最高に美しい/愛嬌でいっぱい/あの子だ、通り過ぎる娘」。目の前の美女を讃えつつ、ため息混じりに募る思いを綴っていく、微笑ましい歌詞が流れていきます。1962年、コパカバーナのナイトバー「ボン・グルメ」でジョビンらがお披露目した後、たちまち大人気を博し、英訳版がアメリカでも大ヒットした名曲「イパネマの娘」。さすがのヒット曲。歌ができる前はもちろんのこと、流行した後においても、様々な紆余曲折があったようです。

Garota de Ipanema歌詞

ここから先は

2,820字 / 3画像

このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…