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[2019.05]ブラジルフィールドワーク #12 誰がマリエリを殺せと命じた?

文・写真●下郷さとみ text & photos by SATOMI SHIMOGO

 ブラジルでは人権問題や権力の不正問題に深く関わる人は、しばしば命の危険にさらされる。リオデジャネイロ市議会議員マリエリ・フランコもそのひとりだった。2018年3月14日の夜、市民集会を終えて車で移動中だったマリエリは、彼女の運転手アンデルソン・ゴメスと共に、横付けしてきた1台の車の窓越しに撃たれて殺された。リボルバーの弾を何発も頭に撃ち込まれて。

 彼女の活動実績と現場の状況から考えて、これは強盗事件などではない暗殺であると、事件直後から確信されてきた。そして事件1周年を目前に控えた今年3月12日、実行犯とされる容疑者2名が逮捕された。共にミリシア(民兵組織)の一団に属する元軍警察官である。

 リオでは2000年代はじめ以降、ミリシアが麻薬密売組織に取って代わる形で急速に勢力を広げている。反社会勢力であると同時に軍警察官や政治家らとのつながりが指摘されてきたミリシアは、マリエリ暗殺事件でも早くからその関与が捜査線上に浮かんでいた。事件の詳細を解説する前に、彼女の足跡を少し振り返ってみたい。


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