文●中原 仁

───── 中原仁の「勝手にライナーノーツ」─────
近年、日本盤の発売が減少し、日本における洋楽文化の特徴である解説（ライナーノーツ）を通じて、そのアルバムや楽曲や音楽家についての情報を得られる機会がめっきり減った。
また、盤を発売しない、サブスクリプションのみのリリースが増えたことで、音楽と容易に接することが出来る反面、情報の飢えはさらに進んでいる。
ならば、やってしまえ！ということで始める、タイトルどおりの連載。
リンクを通じて実際に音楽を聴き、楽しむ上での参考としていただきたい。

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　レゲエやサーフ・ポップの要素を取り入れた、海の香りを伝えるMPopBトリオ、Melim（メリン）。1992年生まれの双子、Rodrigo（ホドリゴ）とDiogo（ヂオゴ）、1994年生まれの妹Gabriela（ガブリエーラ）の、メリン家三兄妹だ。

　リオデジャネイロ州ニテロイ生まれの３人は2016年、テレビのオーディション番組に出演。優勝は逃したが、自主制作で配信リリースした「Meu Abrigo」などのシングル曲がサブスクでブレイク。2018年、大手のユニバーサルからファースト・アルバム『Melim』をリリースし、人気を確立した。イヴェッチ・サンガーロ、サンヂー、ハエルらと共演した曲もあり、ベテランのレゲエ・バンド、ナチフッツの2021年作にもゲスト参加している。

　今年の6月にリリースしたニューアルバムが『Deixa Vir do Coração』。これまで３人のオリジナル曲を中心に歌ってきたメリンにとって初のカヴァー・アルバムで、ジャヴァンの作品集だ。