見出し画像

最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2020年12月|20位→1位まで【無料記事 聴きながら読めるよ!】

 e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。

  20位から1位まで一気に紹介します。

※この記事は、登録なしで全て読める無料記事です。

※レーベル名の後の()は、先月の順位です。

「Transglobal World Music Chart」は、世界各地のワールドミュージック専門家の投票で決まっているワールドミュージックのチャートです。主な拠点がヨーロッパなので、ヨーロッパに入り込んだワールドミュージックが上位にランクインする傾向があります。

20位 Elida Almeida · Gerasonobu

レーベル:Lusafrica (-)

 カーボベルデ出身の27歳のシンガー・ソングライター、エリーダ・アルメイダの4枚目のアルバム。アルバムタイトルはカーボベルデのクレオール語で「新世代」という。カーボベルデのサンティアゴ島出身で、現在はポルトガル在住。様々な音楽的影響を取り入れており、アルバムタイトル通りまさに新世代のミュージシャンである。
 1stアルバム『Ora Doci Ora Margos』(2014年)に収録された「Nta Konsigui」は、 YouTubeで300万回以上再生されるほど大絶賛された。
今回のアルバムは、ツアー中に世界中で作曲されたものであるが「カーボベルデの中心にある私の作品には、その土地の振動と音楽が染み込んでいました」と彼女が言うようにカーボベルデの伝統音楽(バトゥーケ、フィナソン、フナナ、タバンカなどリズム重視のものから、モルナまで)が根底にあり、キャリアを積んだ彼女の才能が溢れる作品となっている。
 何より、歌っている姿は、観ているこちらまで幸せになるような笑顔が堪らない。

19位 Modeste Hugues & Kilema · Ala Maintso / Green World: Songs from Madagascar 

レーベル:ARC Music (-)

 マダガスカルと言えば、バオバブの並木道がすぐ頭に思い浮かぶ。そして、島に生息する動植物の8割がマダガスカルのみに生息する固有種であるため、自然豊かな島なのではないかと。(行ったことがないので想像でしかないが)そんな島にも自然破壊の波がやってきているようだ。
 マダガスカル東部ベトロカ出身の才能あるギタリスト、モデステ・ヒューズと、マダガスカル西部トリアラ出身の多才なインストゥルメンタリスト、キレマが、故郷の地球マダガスカルの美しい地形を守り、保護することを提唱し、緑の世界を称えるために作ったアルバムである。
 モデステによる独特のギターピッキングとキレマのマロバニー(マダガスカルの伝統楽器)の演奏法が独特のグルーヴで、重要なメッセージを織りなしている。
 気候変動は、子どもたちを含むすべての人の生活に影響を与えており、もし森林が破壊されたら、未来の世代はどうなるのか、仕事、家、愛する人たちはどうなるのか、と私たちに問いかけている。

↓国内盤発売予定あり〼。(2020年12月11日発売)

https://item.rakuten.co.jp/naxos/eucd2930/

18位 Leyla McCalla · Vari-Colored Songs: A Tribute to Langston Hughes

レーベル:Smithsonian Folkways Recordings (-)

 ニューヨーク生まれのハイチ系アフリカ系アメリカ人で、ニューオーリンズ在住のシンガーソングライターでもありチェロ奏者でもある、レイラ・マッカーラが2013年にリリースした限定盤デビュー・アルバムのリイシュー盤。
 2013年リリースされた当時、ニューヨーク・タイムズ紙に「マッカーラの壮大で透明感のある音楽は、家族、記憶、孤独、そして時間が容赦ないことを保持している」と絶賛された。
 本作はアフリカ系アメリカ人作家/思想家であるラングストン・ヒューズに捧げられたオマージュ作品となっている。白人のステレオタイプが横行する時代に黒人自身の視点からリアルなブラック・アメリカン・カルチャーを描き出したヒューズの作品を基に、チェロ、テナー・バンジョウなどのアコースティック楽器を駆使し、オリジナリティ溢れるアメリカーナ・サウンドを構築している。また、自身のルーツであるハイチ民謡も加え〈ハイチ系アフリカ系アメリカ人〉という彼女のアイデンティティをナチュラルに表現している。ブラック・カルチャーや人間の普遍性について再考させられる強力な一枚だ。

↓国内盤発売予定あり〼。(2020年12月11日発売)

17位 Star Feminine Band · Star Feminine Band

レーベル:Born Bad (-)

 ベナン北西部の辺境の地ナティティングー出身の10歳から17歳までの7人の少女たちのグループ「スター・フェミニン・バンド」のデビューアルバム。ガレージロック、ポップス、故郷の伝統音楽などのスタイルを、ユーモアとエネルギー、軽やかなタッチで融合させており、フランス語だけでなく、ワーマ語やディタマリ語など現地の言語でも表現している。
 彼女たちが育ったのは緑と岩だらけの対照的な風景が広がる地域で、この地域の若い女の子のほとんどは、強制結婚や早期妊娠が一般的となっている。この状況を知った音楽家アンドレ・バレグエモンが、北ベナンの社会で女性の価値を示すため、問題意識に根ざした女性だけのグループを結成することを決意し、自治体の支援を得てメンバー募集すると地元FM局で発表した。そこで選ばれた7人の少女が、彼女たちである。中には楽器を持ったこともない子もいたが、トレーニングを実施し驚異的な進歩を遂げることになった。このプロジェクトは地元も応援しており、ナティティングー博物館の別館には、バンドのためのリハーサル室が設置され、彼女たちは学校に通いながら週3回、午後4時から7時までリハーサルを行い、また学校が休みの期間は、月曜日から金曜日まで毎日朝9時から夕方5時までみっちりリハーサルをしているそう。(すごい!)
 彼らの日常的な闘いや、平等、エンパワーメント、強制結婚の圧力、女性の性器切除などのテーマが中心となっており重いイメージだが、歌ったり踊ったりそして演奏している姿を見るとその姿に惹きつけられ思わず微笑んでしまう。ヨーロッパツアーも予定されているとのことで、これからの活動が大変楽しみである。

16位 Khusugtun · Jangar

レーベル:Buda Musique (5)

 楽器を演奏しながらホーミーでポリフォニックなコーラスを聴かせるのは、2009年にモンゴルで結成された男女6名のグループ、フスグトゥン(KHUSUGTUN)。モンゴル語で「フスグ(荷車)で移動する遊牧民」という意味を持つ彼らは、モリン・ホールやドンブラ、口琴といった伝統楽器を巧みに操りながら、複数のメンバーが喉歌ホーミーでコーラスを聴かせる。
 フランスのBUDA MUSIQUE からのリリースとなる本作が世界向けのデビュー作。モンゴル伝統音楽の新潮流を、奇跡のように一気に革新する要注目のグループだ。

↓国内盤あり〼。

15位 Mahsa Vahdat · Enlighten the Night

レーベル:Kirkelig Kulturverksted (7)

(こちらのアルバムは半年ほどずっと上位にランクインしていました)

 2019年発表の前作は、クロノス・クァルテットとのアルバム『Placeless』。ペルシャ(イラン)出身、イランでよく知られたアーティストで、クラシックおよびワールドミュージックの範疇で活動する女性ヴォーカリストのマーシャ・ヴァダット(Mahsa Vahdat、1973年テヘラン生まれ)の新作『Enlighten the Night(夜を照らす)』。彼女が長年にわたって開発してきたペルシャ/イランの古い伝統的民俗音楽の唱法で、現代ペルシャの詩に合わせて作曲されたクラシカルなメロディーを、世界が暗闇に包まれている時代に、人類の希望を込め、歌う。

Musicians: Tord Gustavsen (piano and electronics), Gjermund Silset (double bass), Kenneth Ekornes (drums).
Arrangement: Atabak Elyasi
Produced by Erik Hillestad and Atabak Elyasi. Sound Engineer: Martin Abrahamsen.

14位 Djely Tapa · Barokan

レーベル:Label 440 / Disques Nuits d’Afrique / DT Productions (-)

 アフリカ・マリでグリオ(西アフリカの祖先の伝統や習慣を歌や語りなどを通じて伝える伝統伝達者)の家系の生まれ、現在モントリオール在住のシンガーソングライターであるジェリー・タパのデビューアルバム。このアルバムは、カナダで歴史あるJUNO賞の2020年最優秀ワールド・ミュージック・アルバム賞を受賞した。
 彼女は学業のためモントリオールに移住したが、そこにはアフリカンコミュニティのグリオがなかったため、伝統の継承の必要性を感じ、両親から受け継いだ使命を再開するべく、音楽家への道へ進むこととなる。10年ほど活動したのち、今回のアルバムのプロデューサーでもあるミュージシャンのAfrotroniXと出会い、このアルバム制作に繋がった。
 彼女のパワフルでソウルフルな歌声と、プロデューサー AfrotoniX により巧みに作られたエレクトロサウンド、そしてコラやアフリカの伝統楽器が見事に融合している。今後の活躍が期待される超新生ディーバだ!

13位 Wowakin · Wiązanka

レーベル:Baba Studio (-)

 2016年春に結成されたポーランドのトリオ「WoWaKin」(グループ名は彼らの名前の頭文字からとって命名)のセカンドアルバム。2016年ポーランドで最も重要な民族音楽コンクール「The New Tradition」でデビューし、3位に入賞。それ以来、多くのコンサートを行っている。
 クラシック、ジャズ、現代音楽や演劇など多様なバックグラウンドを持つ、パウラ・キナシェフスカ(ヴァイオリン、ヴォーカル)、マテウス・ヴァチョヴィアク(アコーディオン)、バルトロミエイ・ウォズニアック(パーカッション、ヴォーカル)の3人で編成され、ポーランドの村の民族舞踊音楽(マズルカ、オベルカ、ポルカ、クヤヴィアクなど)のルーツを探求し活動している。来日経験もあるヤヌシュ・プルシノフスキのトリオにもゲスト出演するなど、ポーランドでも期待されているグループの一つである。
 インストゥルメンタルもありながら、女性ヴォーカルの曲もあり、男性ヴォーカルの曲もあり、という具合にレパートリーが豊かなアルバムである。


12位 Harold López-Nussa · Te Lo Dije

レーベル:Mack Avenue (14)

 これまでに何度も日本公演も行っている。キューバン・モダン・ジャズ・ピアノの名匠エルナン・ロペス・ヌッサを叔父に持ち、今最も注目されるキューバ出身の若きピアニスト、アロルド・ロペス・ヌッサの通算9作目のアルバム。
 アロルド・ロペス・ヌッサは、8歳でハバナの音楽院に入学。数々のシンフォニー・オーケストラとの共演を経て、2005年、スイスで行なわれたモントルー・ジャズ・ソロ・ピアノ・コンペティションに入賞。チューチョ・ヴァルデス、クリスチャン・スコットなど数多くの鬼才との交流も重ねてきた。
「私はあなたに言った」というタイトルも持つ本作は、変幻自在、スペクタクルなピアノ演奏で聴く者を虜にしてきたアロルドの、これまでのアルバム毎の様々な挑戦が、ハイブリッドに融合して、自由に弾けたような内容だ。

↓国内盤発売予定あり〼。(2020年11月下旬)


11位  Les Mamans du Congo et Rrobin · Les Mamans du Congo et Rrobin

レーベル:Jarring Effects (-)

 2018年コンゴの首都ブラザヴィルで結成された5人組女性グループ「レ・ママンズ・デュ・コンゴ」と、ヒップホップとハウスビートのスペシャリストであるフランス人プロデューサーRROBINによるユニットのデビューアルバム。
 カリスマ的なシンガー&パーカッショニストのグラディス・サンバが率いる5人の母親たちが、先祖代々伝わるコンゴの子守唄にダンスを融合させ、フォーク、皿、バスケット、杵などの道具を使い、複雑なリズムに合わせて、自分たちの民族の歴史やコンゴ女性の日常生活をラリ語で歌っている。そこにRROBINによるエレクトロニックな音が合わさり、ラップも加えられるというのだから、時代と結びついたハイブリッドな音楽になっていることは言うまでもない。土着系でありながら、クラブでも聴きたいような都会的な音楽である。


10位 Derya Türkan & Sokratis Sinopoulos · Soundplaces

レーベル: Seyir Muzik (-)

 トルコの古典弦楽器ケメンチェ(3弦バイオリン)奏者のデリヤ・チュルカン(1973年生)と、ギリシャの民族楽器リラの奏者であり作曲家のソクラティス・シノプロス(1974年生)の共演アルバム。演奏家としてはそれぞれ30年近く活動しているが、最初の出会いは10代後半で、それ以来友人であり、またギリシャとトルコの間で、2つの文化の共通点を探るコラボレーションの先駆者としても活動している。
 各々の活動も精力的に行っているが、共演作としては二枚のアルバムを制作しており、本作は2018年以来の三作目となる。
 長年の二人の関係性が音楽にも表れており、二人の弦の音色が素晴らしく心に沁みる。


9位 Liraz · Zan

レーベル:Glitterbeat (-)

 歌手と女優の両方で活躍するイラン系イスラエル人アーティスト、リラズのセカンドアルバム。タイトルの『Zan』はペルシャ語で "Women"という意味で、まさに彼女の祖母や母など家族の女性たちのために書かれたもの。「彼女たちは自由のために戦った。私は自分の自由のために戦っている。彼女たちの物語を歌にして伝えている」と語っている。そして、彼女の2018年の作品『Naz』からの物語の第二章だとも。
 このアルバムでは、現在イスラエルとは国交の無いイランの音楽家らと、テヘランのイスラム教徒や秘密警察からの視線を避けながら秘密裏にオンラインでコラボレーションを行った。(安全のため名前を明かしていない音楽もいるようだ)煌びやかなエレクトロポップをアンダーグラウンドで展開している作品である。

↓国内盤あり〼。


8位 A.G.A. Trio · Meeting

レーベル:Naxos World (6)

 A.G.A.とは、アルメニア(Armenien)、グルジア(Georgien)、アナトリアの略(Anatolien.)。
 ミケイル・ヤクト(Mikail Yakut、グルジア人/アコーディオン)はベルリン在住、デニズ・マヒール・カルタル(Deniz Mahir Kartal、トルコ人/カヴァル、ギター)はベルリン在住、アルセン・ペトロシアン(Arsen Petrosya、アルメニア人/ドゥドゥーク)はエレバン近郊在住。
 A.G.A. Trioは、国境を越えて故郷の古いメロディーを再解釈し、演奏には地域の平和のための祈りが込められている。


7位 Ammar 808 · Global Control / Invisible Invasion

レーベル:Glitterbeat (1)

 今、最も勢いに乗っている若い才能、チュニジア人音楽家(シンセ奏者/プロデューサー)のソフィアン・ベン・ユーセフによるソロ・プロジェクト〈アマール808〉。マグレブ圏(チュニジア~アルジェリア~モロッコ)の音楽を、強靭なビートで最強のダンス・ミュージックに変えてきた〈アマール808〉の最新作は、南インド古典音楽〈カルナータカ音楽〉の現代化を目指した意欲作。以前から構想を温めてきたという。南インドの都市チェンナイの音楽家らと共に、当地の伝統音楽をデジタル・ビートを駆使して再構築。ラスボスみたいな存在感を放つ会心作が完成した。強い!
 ソフィアン・ベン・ユーセフは、アマール808の他にもケル・アスーフ(Kel Assouf)、バルグー08(Bargou 08)といったグループで並行して活動し作品を残しており、そのどれもが魅力的。

↓国内盤あり〼。


6位 Sandeep Das & The HUM Ensemble · Delhi to Damascus

レーベル:In a Circle (10)

サンディープ・ダスは、インド人タブラ奏者/作曲家で、現在はボストンを拠点に活動している。ヨーヨー・マーの率いるシルクロード・アンサンブルのメンバーとしても知られている。
「サンディープは楽器奏者の域を超越しています。彼がタブラを演奏するとき、彼は神話の創造者であり、コミュニケーションの達人であり、オーケストラであり、そのすべてが一体となっています。
彼は、私が世界中で何十年にもわたってコラボレーションしてきた中で、最も偉大なアーティストの一人です。また、私が出会った最高の教師の一人でもあります。彼がコラボレーションできない人はいないのでと思っています。」──ヨーヨー・マー


5位 Bantu · Everybody Get Agenda

レーベル:Soledad Productions (3)

 バントゥー(BANTU)は、ナイジェリアのラゴスを拠点に活動する13人組バンド。リーダーは、バンドのボーカルを務めるAde Bantuだが、リーダー牽引型のグループではなく、共同で音楽を作っているバンドだという意識が強いという。演奏するのは、アフロビート、ヒップホップ、アフロファンク、ハイライフ、ヨルバ音楽が融合した都会的でファンキーな音楽。
 最新作『Everybody Get Agenda』は、1999年のデビューアルバム『Fufu』から数えて、7枚目のアルバム。13人のアンサンブルは最高の状態。ゲストにシェウン・クティ(Seun Kuti)も参加しており、バントゥーがより広範に、より国際的に知られている布石となりそうなアルバムだ。


4位 Xabier Díaz & Adufeiras de Salitre · As Catedrais Silenciadas

レーベル:Músicas de Salitre (8)

 ガリシアを代表するグループ「ベログエト(BERROGUETTO)」のメンバーだったシャビエル・ディアスの5作目のソロ・アルバム。また、彼のグループ「アドゥフェイラス・デ・サリトレ」は、サンフォーナ奏者やダイアトニック・アコーディオン奏者、11名もの女性コーラスで構成される。
 ガリシアン・トラッドの素朴さとシャビエルの音楽的洗練が生む、優しさに溢れた唯一無二の音楽は、本作でも健在。落ち着いた中にも祝祭感もある。リズムの基本は、パンデイレタ(ガリシア独特のフレームドラム)のサウンドで、Vo陣は、パーカッションを叩きながら歌うのが、彼らのスタイルだ。


3位 Afel Bocoum · Lindé

レーベル:World Circuit (2)

 国際的に活躍したマリの歌手/ギタリストのアリ・ファルカ・トゥーレのグループ「ASCO」に13歳で参加し音楽家としてのキャリアをスタートしたアフェル・ボクムは、1955年、マリのニアフンケ生まれた歌手/ギタリスト。アリ・ファルカ・トゥーレもニアフンケ生まれだった。ソロデビュー作は、1999年の『Alkibar』。
 本作は、エグゼクティブ・プロデューサーであるデーモン・アルバーン、ニック・ゴールドのサポートを得て録音。スタジオアルバムとしては2009年の『Tabital Pulaaku』以来11年ぶりのアルバムで、キャリア4作目となる。収録したのは、マリ南東部ニジェール川北部のニジェール・ベンドで古くから演奏される音楽。寡作なマリ音楽の至宝による、土着的で乾いた土の香りがする砂漠のブルースの傑作が誕生した。

追伸:アフェル・ボクムは、地元で暮らすために、農業関係で公務員をしている(or していた)という。もしかして、今、65歳前後なので、定年して音楽活動に集中できるようになったのかな……。

↓こちらで購入可能です。

↓音楽ブログの「サナコレ」でも詳しく取り上げられていました!


2位 The Rheingans Sisters · Receiver

レーベル:Bendigedig (4)

 2019年のBBCラジオ2・フォーク・アワードで「ベストバンド」にノミネートされたザ・ラインガンズ・シスターズ(The Rheingans Sisters)は、今日のイギリスのフォークシーンで最も将来が期待されるアクトの1つだ。ザ・ラインガンズ・シスターズは、フィドル奏者でシンガー/マルチ奏者の Anna Rheingans と Rowan Rheingans 姉妹によるデュオ。フォークの伝統に支えられながらも、遊び心たっぷりに完全に現代的な音楽を生み出しているラインガンズ・シスターズは、フィドル、声、バンジョー、バンシタール、タンブリン・ア・コードス(別名プサルテリウム、古代の弦楽器)、詩、パーカッションなどを駆使した冒険的でアイデアに溢れた演奏で観客を魅了している。
 ヨーロッパの伝統を深く学んできた2人は、それらの知識を常に新しい音楽を生み出すために再構築している。古い音楽風景が新しい曲を形作る。


1位 Kronos Quartet · Long Time Passing: Kronos Quartet & Friends Celebrate Pete Seeger

レーベル:Smithsonian Folkways Recordings (31)

 サンフランシスコを拠点に活動している弦楽四重奏団クロノス・クァルテット。1973年の結成以来、ミニマル・ミュージックなどの現代音楽に加え、ロックやジャズなどをはじめとするポピュラー・ミュージックとのクロスオーバーにも取り組み、幅広い音楽ジャンルに渡って演奏し、クラシックの演奏家のみならずあらゆるジャンルのアーティストからリスペクトされている。世界中で演奏活動を行ない、精力的に新しい作品の録音や、アーティストとのコラボレーションなど、様々なプロジェクトを進め、弦楽四重奏団として無限の可能性を明示してきた。
 このアルバムは、アメリカで著名なフォーク・シンガー、故ピート・シーガーのトリビュート・アルバムで、6名のヴォーカル・ゲストと共にシーガーの名曲の数々の再構築に挑戦している。
 結成50年を前に、今年9月17年ぶりの来日予定だったが、コロナで公演は中止となった。せめてこのアルバムで、次回公演への思いを馳せよう。

↓国内盤あり〼。


画像1

(ラティーナ2020年12月)

↓11月のランキング解説はこちら。

↓9月のランキング解説はこちら。

#ワールドミュージック
#ラティーナ2020年12月
#ラティーナ
#emagazineLATINA
#TransglobalWorldMusicChart
#音楽


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!