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[2021.08]「ラ米乱反射」電子版 第10回 ペルーにカスティージョ左翼政権誕生|民族主義政策実施のため改憲目指す|国会少数派で前途は多難

「ラ米乱反射」電子版 第10回
ペルーにカスティージョ左翼政権誕生
民族主義政策実施のため改憲目指す
国会少数派で前途は多難

文 ● 伊高浩昭(ジャーナリスト)

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 ペルーのペドロ・カスティージョ新大統領(51)が2021年7月28日就任した。任期は26年までの5年。準備、人材、政治的経験の不足や視野の狭さ、さらには政権党が国会で少数派であるため発足早々、不安定な政権運営を迫られている。世論の反発を招くような独善主義に陥れば、国会で弾劾され解任される可能性も十分にあり得る。

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写真:ペドロ・カスティージョ(Pedro Castillo)大統領

 北部カハマルカ州内僻地の寒村プーニャ村の貧しい農民家庭出身で、同州内の農村小学校教師だったカスティージョは、教員組合と農村自警団ロンダの活動に熱心だった。

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写真:農村自警団ロンダの団員(ロンデロ)たち

▶︎農村教師から政界へ

 政治思想的には急進的左翼ではなく、貧困や疎外など農村問題の解決や、その鍵を握る教育の労働者である教員の生活防衛に熱心な穏健左翼だった。フジモリ政権崩壊後の混乱期を経て登場した中道保守のアレハンドロ・トレード大統領(任期2001~06)の政権党ペルー・ポシーブレ(PP=可能性のあるペルー)党に入党し、長らくカハマルカ州内の党支部に属していた。

 因みにトレードは、収賄などで追及され米国に逃亡していたが、米当局に逮捕され、現在、ペルーへの身柄引き渡し手続きが進められている。

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写真:アレハンドロ・トレード(Alejandro Toledo )元大統領

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