【e-magazine LATINA】の編集長が今週聴いてほしい世界の新譜からの5曲
文●花田勝暁
[2020.09.14]
新企画 2回目です! 「【e-magazine LATINA】の編集長が聴いてほしい新譜の5曲」 。週明けの恒例になればいいなあと思っています。
企画が続くようにぜひ、心の中とかコメントで応援してくださいな。
当 e-magazine は、すでに情報量が多いと思うので、何を聴いていいかわからないという人のために、
編集長の花田が特に聴いて欲しいと思った曲を毎週数曲紹介するという企画です!
(放っておくと曲数が増えちゃいそうなので、マックス5曲ということで自制します。時に、もう手が回らないときは1曲のときもあるかもしれない。それでも継続を優先したいと思っています)
※試聴リンクの掲載は、無料ユーザーでも試聴できるSpofityを基本として、オフィシャルが掲載した形でYouTubeで試聴できる場合は、YouTubeも貼ります。YouTubeにしかない動画があったりした場合も、もちろんYouTubeで掲載します)
1曲目。Jumpei Kamiya 「Bubble (feat. 優河)」
アルバム『Jumpei Kamiya with...』より
まずは、J-インディーズ- J-Popのシーンで様々なアーシティストから信頼され活躍をしているドラマーの神谷洵平(Jumpei Kamiya)が自粛期間中に録音した初のソロアルバムから。
アルバムタイトル通り様々なゲストを迎えた美しい全7曲の中から、作曲:神谷洵平、作詞・歌:優河の「Bubble」という曲を。優河が自粛期間中に唯一歌詞を仕上げられた曲だという。
「生きづらくなってしまった世の中で、やはり人は誰かがいなければ何者でもない。ひとりひとりに、あなた、が必要なんだなと。」と、優河はこの曲の歌詞についてコメントしている。
写真家の廣田達也が映像制作・監督したクリップも楽曲と一体となっている。それぞれの才能の波長が一致し、美しい1曲となっている。
2曲目。Sílvia Pérez Cruz 「Todas Las Madres Del Mundo」
10月発表のアルバムからの先行リリース。
去年からちょくちょくシングル曲をリリースしていた、スペイン・カタルーニャ州出身の歌手のシルビア・ペレス・クルスだが、アルバムのリリース日がわかった。2020年10月3日リリースで、アルバムタイトルは『Farsa (género imposible)』(拙訳直訳:茶番劇(あり得ないジャンル))。
そのアルバムにも収録されるこの曲「Todas Las Madres Del Mundo(世界の全ての母たち)」は、スペインの大衆文学の詩人 故ミゲル・エルナンデス(Miguel Hernández)の詩に、シルビアが曲を付けたもの。早くも名曲です。アルバム全体は一体どうなってしまっているんだ? 待ち遠しい。
アルバム『Farsa (género imposible)』のジャケットは、↓こういうジャケットです。
2020年10月3日リリース
3曲目。Caetano Veloso「Hey Jude」
日本でも遂に、国安真奈真奈さんによる『熱帯の真実(カエターノ・ヴェローゾ著)』の邦訳版が上梓され(9月28日発売。アルテス・パブリッシング 詳しくは↓のリンクをクリック)、日本中でカエターノ熱が高まる気配がありますが、つい先日、カエターノがビートルズの名曲「Hey Jude」の弾き語りカバーを発表しました。
こちらは、最新映像↓
こちらの曲は、ヴェネツィア国際映画祭で初公開されたカエターノ・ヴェローゾが軍政による拷問や、亡命について語ったドキュメンタリー映画と関係があるそう。カエターノが今、このようなドキュメンタリー映画の撮影に応じた理由は、今のブラジルには一定層、軍事独裁を好意的に捉えている人たちがおり、自分の体験した軍政について語ったということです。日本ではこの映画を観れる機会はあるでしょうか...。日本と世界で、別の理由によってですが、カエターノ・ヴェローゾが今、注目されています。
↓こちらは映画のトレーラー。
4曲目。Marisa Monte & Ed Motta「These Are The Songs」
アルバム『Princípios (1989-1992) - Ao Vivo』より
カエターノの次は、↑こちらの記事で、中原仁さんが詳細な解説を寄稿してくださったブラジルの歌姫、マリーザ・モンチの最新リリースから。マリーザは、先日、これまでに発表してきた映像ソフトの収録曲をセレクトし、3タイトル同時に配信でリリースした。
このエヂ・モッタとデュエットした「These Are The Songs」も、デビュー・ライヴ盤のVHS/DVDには収録されていただが、CDには未収録だった貴重な音源。この曲についての更に詳しいエピソードな、その他貴重な情報は、↑の記事でご確認を!
5曲目。Bab L' Bluz「Africa Manayo」
アルバム『Nayda!』より
この週末に↑の記事を書いたばかりなので、このチャートから紹介したい曲がたくさんあるのですが、今日は、バブ・ルブルーズ(Bab L' Bluz)のライヴ映像を。
バブ・ルブルーズは、グナワ音楽(スーフィズムとイスラム以前のアフリカの伝統音楽を混ぜた音楽)をオマージュするために2018年にモロッコのマラケシュで結成された4人組バンド。ワールドミュージックの新たな扉を開くサイケデリック・グナワ・ブルースロックを重厚に奏でる。
フェス映えするバンドだし、来年のスキヤキに来てくれないかなあと妄想しながらライヴ映像を見てしまう。
※P.S. 昨年招聘して、弊社と新たな縁ができたモニカ・サウマーゾとテコ・カルドーゾが、シコ・ブアルキの曲だけを演奏するという粋なライヴのアーカイブが残っていました! ↓
ライヴ配信動画|Monica Salmaso e Teco Cardoso「Cantando Chico Buarque」
(ラティーナ2020年9月)
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新しくなった世界の音楽情報誌「e-magazine LATINA」に興味を持っていただいたら、まず、こちらの記事をご覧ください。またお会いできるのを楽しみにしています!
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↑先週の「聴いて欲しい5曲」。
↓オススメが5曲じゃ足りないという人には、月2回プレイリストを公開しています!