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[2012.10]【連載 TÚ SOLO TÚ #152】オルケスタ・デ・ラ・ルスのNORA出演 クラサオ・ノース・シー・ジャズ・フェスティバル

文●岡本郁生

 オルケスタ・デ・ラ・ルスのNORAが8月末、〈クラサオ・ノース・シー・ジャズ・フェスティバル〉に出演。セルヒオ・ジョージのオール・スターズをバックに歌って来たという。クラサオでジャズフェス? しかもセルヒオ・ジョージ?…… というわけでさっそくご当人に話を聞いた。

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写真:右=NORA、中大=サルサ・カリエンテ・デル・ハポンのステージ 中上小=オスカル・デ・レオンと 中中小=ルイス・エンリケと 中下小=チャーリー・サーと 左上小=ホセ・アルベルトと 左中小=ティト・ニエベスと 左下大=セルヒオ・ジョージと


 まずはちょっとお勉強。

 クラサオは、カリブ海、ベネズエラのすぐ北側に位置する島(英語ではキュラソー)。長らくオランダ領で1954年以来オランダ領アンティルに組み込まれていたが、2010年にそれが解体。現在は、オランダ(本国)、アルバ、シント・マールテンとともにオランダ王国を構成する国、ということになっているらしい。リキュールのキュラソーは、この島のオレンジの皮を使ったことからその名がついたものだそうだ。

 そしてノース・シー・ジャズ・フェスティバルといえば、ジャズ・ファンにはおなじみ、オランダで1976年から続く有名なジャズフェスである。クラサオで開催されるようになったのは2010年から。今年が3回目となるが、8月31日は、ディジー・ガレスピー・オール・スター・ビッグ・バンド(リーダー:パキート・デリベラ)、ジル・スコット、ルベン・ブラデス、アラン・トゥーサン、サンタナほか、翌9月1日は、マーカス・ミラー、ジョシュア・レッドマン、アリシア・キーズ、ランディ・クロフォード、マナ、インディア・アリーといった、ジャンルを超えた豪華なラインナップである。

—— クラサオは初めてじゃないですよね?

 3回目か4回目ですね。前回はデラルスで、20年ぐらい前ですか? 毎回、ライブも盛り上がるしトラブルもなく、オフのときは遊びまくりっていう経験しかなくて。今回もすべてが素晴らしかった。いい島です。英語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、パピアメント語(スペイン語・ポルトガル語・オランダ語が混じり合ったクレオール言語)という4ヶ国語をみんなしゃべるんですよ。精油所があって豊かで、朗らかなんです。ラテンがホントに好きだし、詳しい。私、20年ぶりに行ったのに、ホテルで会ったおにいさんに♪Salsa no tiene frontera~って歌われたのでビックリしちゃいました! 音楽がすごく好きで、ミュージシャンに対してリスペクトがある。反応がいいんですよね。


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