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[2022.1] 【島々百景 第67回】 Ruben Rada @ 中野

文と写真●宮沢和史

 毎月Covid-19の話題から書き始めるのが恒例になってしまっていて申し訳ないと思いながらも、毎月のように新展開があるのでなかなか放ってはおけない。年末に差し掛かりヨーロッパを中心として新規感染の第6波が来ているというニュースが聞こえてきたと思ったら、その後あちこちでこの2年間で最悪の数字を更新している。年明けの数字を見て驚いた。1日の感染者数がフランスやスペインでは約 30万人を超え、イタリア、イギリスなどでも10万人を超えている。そして、驚愕したのはアメリカ合衆国。1月3日にはなんと108万人を超えてしまった……。大きな波が来るたびにアメリカ合衆国だけが桁違いに多いのは何故なんだろう? 人口が多いんだから当然ではあるが、それにしても一桁違う。オーストラリアのケースにも恐怖を感じた。あの国は水際作戦を徹底してウイルスの入国を抑え込み、感染者の隔離、濃厚接触者の洗い出しを徹底し、厳しいロックダウンも行ってきた結果、一年半程度二桁から三桁前半の数字を守り続けてきた。しかも16歳以上の 90%強が2度のワクチン接種を行なっている。なのに、2021年の夏の終わりころから徐々に感染者が増え始め、年末から急増し、1月4日にはなんと4.7万人超となっている。長い間我慢に我慢を重ねてきたのに、タイミングの悪いところで規制を緩和するとあっという間に崩れてしまうのか……。この感染症は次々に新しい局面に展開していってしまい、先回りして世界中で一斉に食い止めることができず大変厄介だ。オミクロンとかいうやつは「感染力はものすごく強いが感染しても重症には至らない。多くの人が抗体を持てば風邪のような存在になる」という見方をよく耳にするし、そうあって欲しいものだが、「風邪みたいになるんだから、もう怖がらなくていいや」と言って、医療体制のあり方、国や自治体の対処の仕方、学校や会社のガイドライン、社会の風潮、こういった枠組みを簡単に取り払ってしまうわけにはいかない。「With コロナ」というスローガンは思っているよりも簡単には使えない非常に厄介な言葉であることが改めて浮き彫りになった。1月8日には沖縄で前の日より300人強増えて1759人となり、全国で最も悪い数字となった。このまま第6波が急激に高まっていったら、また緊急事態宣言となるのだろうか? ただし、「重症患者が少ないのに社会を締め付ける必要があるのか?」という議論になることは間違いないだろう。周りに振り回されず日本政府は日本に合った的確な判断を下して欲しい。

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