[2021.09]【シリーズ:ブラジル音楽の新しい才能①】 シコ・ブラウン(Chico Brown)
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[2021.09]【シリーズ:ブラジル音楽の新しい才能①】 シコ・ブラウン(Chico Brown)

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 e-magazine LATINA によるブラジルのポピュラー音楽の中で頭角を現し始めた新しい才能を紹介するシリーズです。レポートは、ブラジル人音楽ジャーナリストのヂエゴ・ムニス。まずは、ブラジル音楽史に名を刻む偉大な音楽家の遺伝子を受け継ぐ才能から数名紹介します。
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 ジョアン・ジルベルト、カエターノ・ヴェローゾ、マリーザ・モンチ、シコ・セザールなど才能を持つ数多くのアーティストが国際的な成功を収めた後も、ブラジリアンポピュラーミュージックは新たな声を獲得し続けています。 ポップな世界と伝統的な音楽の間を行き来する若い世代の音楽家は、過去を参考にしながらも、現代的な視点で表現しています。

 初回のレポートでは、シコ・ブラウン、マリア・ルイーザ・ジョビン、チン・ベルナルヂス、ドーラ・モレレンバウムといった、伝統的なブラジル音楽のDNAを持ちながら、日本の音楽までも参照するアーティストたちとその作品を紹介します。(チン・ベルナルヂスとドラ・モレレンバウムについては来週掲載予定)

文●ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz)

 シコ・ブラウン(Chico Brown)、本名はフランシスコ・ブアルキ・ヂ・フレイタス(Francisco Buarque de Freitas ※「シコ」は「フランシスコ」という名前に付けられる愛称)。楽器に囲まれて育ち、大きなコンサートのバックステージにも顔を出していましたが、音楽家になることは考えていませんでした。
 シコ・ブアルキ(Chico Buarque)の孫で、カルリーニョス・ブラウン( Carlinhos Brown)の息子であるシコ・ブラウンは、2017年に祖父シコのアルバム『Caravanas』でプロ・デビューし、その中で、シコと「Massarandupió」という曲を共作しています。

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 リオデジャネイロで生まれ、サルヴァドールで育ったシコ・ブラウンは、まだ10代の頃に作曲を始めましたが、MPBにおける父と祖父の重要さを理解するには時間がかかったと言います。

 「子どもの頃の私にとって、父や祖父がステージに立つのは当たり前でした。祖父シコ・ブアルキのコンサートでは、人々が感動して、父カルリーニョス・ブラウンのコンサートでは、人々が踊るのですが、私はよくわかっていませんでした。私は彼らの音楽を聴いて育ち、今でも祖父の曲で知らない曲に出会うことがあります」(シコ・ブラウン)

 シコ・ブラウンが、ブラジル全土から注目され始めたのは今年です。マリーザ・モンチ(Marisa Monte)の最新アルバム『Portas』で、共作者としてシコ・ブラウンの名前が最も頻繁に登場します。マリーザとシコ・ブラウンは、16曲中5曲で共作しています。

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