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[2022.1]2021年ブラジルディスク大賞 関係者投票③

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。
(カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)

●堀内隆志

カフェのオーナーで選曲家
カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュのマスター兼ロースター。カフェ業の傍ら、ブラジル音楽のCDやラジオ番組の選曲。

コロナ禍で世界的に混乱が続く中、大物勢から若手まで力作が多い一年だった。特に1はドナート87歳、マカレー78歳という超ベテラン同士の奇跡の共演作で内容も安定した素晴らしい内容だった。4の人気若手アコースティックグループによるジャヴァン集は改めて楽曲の良さを再認識。そして7は渋谷系から影響を受けて制作された作品で、木村花さんへのオマージュソングも収録されている。作品制作の環境が激変しても良質な音楽を届けてくれるアーティストに感謝。

1. João Donato & Jards Macalé / Síntese Do Lance

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2. Mallu Magalhães / Esperança

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3. マリーザ・モンチ / ポルタス

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4. Melim / Deixa Vir do Coração

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5. Gal Costa / Nenhuma Dor

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6. Anavitória / Cor 

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7. Banda Tereza / Animes, Kylie Jenner, Glocks & Remédios

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8. Tuyo / Chegamos Sozinhos em Casa

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9. Liniker / Indigo Borboleta Anil

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10. Jonathan Ferr / Cura

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●MAKO

リオ在住20年の歌手、パーカッショニスト
プロフィール文:パーカッショニストとしてムリェーレス・ド・シコ、ピアノオーケストラで、歌手として「幾つかの色」「オアシス」のCDを発表し、ブラジルを拠点に活動中。
https://www.youtube.com/c/makobrasil

10年ぶりに発表したマリーザ・モンチの待望の新作『ポルタス』は、ジャケットも全てがとにかくカッコ良すぎる!⑴。約9年ぶりとなる新作『メウ・ココ』を発表したベテラン、カエターノ・ヴェローゾのセンスには頭が下がる⑵。エミシーダのセンセーショナルな作品『アマレーロ』は、ライブ版ならの熱い一枚⑶。パンデミック収束に希望を訴えた作品、ペドロ・ミランダの『ダ・ガーヴェア・パラ・オ・ムンド』に涙が溢れる⑷。

1. マリーザ・モンチ / ポルタス

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2. Caetano Veloso / Meu Coco

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3. Emicida / AmarElo(Ao Vivo)

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4. Pedro Miranda / Da Gávea para o Mundo

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5. V.A. / Aldir Blanc Inédito

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6. Liniker / Indigo Borboleta Anil

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7. Ney Matogrosso / Ney 80 anos

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8. Mart'nália / Sou Assim Até Mudar

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9. ヴァネッサ・モレーノ / センチード

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10. Majur / Ojunifé

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●松澤正宏

会社員
西荻窪アパレシーダ「サンギ・ボン!!」などで選曲、Spotify プレイリストも毎月更新中。
https://open.spotify.com/playlist/0ePERE3DGjCpR99dRO3nNg?si=5EgHu6NOTOq_uZ8byNcYAg

去年のマイ1位、エミシーダのドキュメンタリーとライブ④が自宅のテレビで観られ、ベルキオールの凱歌が鳴り響く中、共演したマジュール⑩、そしてレペゼン北東部①で驀進するパブロ・ヴィタールの降臨シーンは何度観ても胸熱!鉄板の軽やかさ②⑨、静謐さに肉体性を獲得した③、アフロ・ブラジル音楽は新型コロナで急逝した導師レチエレス・レイチ関連③⑥⑦に加え⑤⑩。本国ではいよいよCDが出なくなったが、半数が日本盤に。

1. Pabllo Vittar / Batidão Tropical

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2. シルヴァ / シンコ

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https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008361462

3. ゼ・マノエウ / 裸の心から

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4. Emicida / AmarElo(Ao Vivo)

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5. オルケストラ・アフロシンフォニカ / オリン - ア・リングア・ドス・アンジョス

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https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008265353

6. Liniker / Indigo Borboleta Anil

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7. Caetano Veloso / Meu Coco

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8. ヨウン / Bxd in Jazz

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https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008371528

9. Mallu Magalhães / Esperança

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10. Majur / Ojunifé

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●村田 匠

音楽家/ラジオパーソナリティ(鎌倉FM)/カンタス村田
プロフィール:「カルナバケーション」のボーカル/ギター/パーカッション/作詞作曲担当。6月に新作『素敵な未来予報』をリリース♪ NHK『おかあさんといっしょ』「かおたいそう」ほか。世界の国歌をうたう「Scrum Unison」では各国の文化を研究中。

ブラジルでも欧米ポップスのノリで聴けるサウンドが俄然増えてきた。海外マーケットを意識したと言えば聞こえは良いが、そんな波にも負けず (?) ルーツな音像を丁寧に織り込んだ作品たちは愛おしい。しかし、自分で選んだとは言え、10枚の中にこんなに老いも若きも出てくるとはまさに2億人総活躍ブラジル音楽社会(ほんまかいな)ならでは!
世代を超えるコラボは、先人へのリスペクトから来るのだろう。この国には制作面でも見習うべき部分が沢山ある。

1. Liniker / Indigo Borboleta Anil

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2. Caetano Veloso / Meu Coco

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3. マリーザ・モンチ / ポルタス

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4. シルヴァ / シンコ

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5. João Donato & Jards Macalé / Síntese Do Lance

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6. Mallu Magalhães / Esperança

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7. Anavitória / Cor 

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8. Chico Chico / Pomares

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8. オルケストラ・アフロシンフォニカ / オリン - ア・リングア・ドス・アンジョス

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10. V.A. / Rios de Janeiro (Projeto da Lei Aldir Blanc produzido por Yug Werneck & Fil Buc)

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●村上達郎

作曲家・ギタリスト 
プロフィール文:サンパウロ州立タトゥイ音楽院ショーロ科卒。7弦ギタリストとしてだけでなく、サントラ制作やアンビエント作家としても活躍中。

一番に選んだのは、個人的に今年の顔だったMarina Sena。一皮向けたLinikerの②は名盤、③のギターはただただ美しく天才的。⑥のDuda Beatは、前作を更に超える圧倒的女帝感で貫禄が出てきて、⑤を始めとするラッパー系の良作も多かった。徐々にライブなどミュージシャンたちの活動も通常通りに戻りつつあるブラジル。コロナ禍で蓄積されたアイデアや作品が徐々に公になり始めた感じがした。

1. Marina Sena / De Primeira

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2. Liniker / Indigo Borboleta Anil

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3. Fabiano do Nascimento / Ykytu 

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4. アマーロ・フレイタス / サンコファ

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https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008308493

5. Nill / BLU

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6. Duda Beat / Te Amo Lá Fora

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7. Juçara Marçal / Delta Estácio Blues

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8. Guinga / Zaboio

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9. Tuyo / Chegamos Sozinhos em Casa

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10. Roberta Sá / Sambas & Bossas 

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●渡辺 亨

音楽評論家/選曲家。著書に『プリファブ・スプラウトの音楽』など。NHK-FM『世界の快適音楽セレクション』の選曲と出演。監修した『女性シンガー・ソングライターの系譜』が5月に出版されました。南米勢も紹介しています。

僕が以前から推していた才人で、カエターノの『Meu Coco』のキーマンであるチアゴ・アムーヂの『São』は2021年11月発売なので、今回は選べなかった。他にもダヴィ・モラエスによる父モラエス・モレイラへのオマージュEPを含め、選外には佳作が目白押し。しかもカエターノとマリーザが揃って新作を発表したので、近年稀に見る豊作の年だったと感じている。ただ、どうしても好きな作品ほどフィジカルで持っておきたい。

1. Caetano Veloso / Meu Coco

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2. マリーザ・モンチ / ポルタス

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3. オルケストラ・アフロシンフォニカ / オリン - ア・リングア・ドス・アンジョス

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4. アントニオ・ネヴィス / ア・ペガーダ・アゴーラ・エ・エッサ

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https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008222823

5. シルヴァ / シンコ

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6. Liniker / Indigo Borboleta Anil

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7. Adriana Calcanhotto / Margem, finda a viagem (Ao Vivo)

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8. Domenico Lancellotti / Raio

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9. ヴァネッサ・モレーノ / センチード

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10. Rodrigo Amarante / Drama

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(ラティーナ2022年1月)


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