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[2017.10]島々百景 #20 韓国・済州島

文と写真:宮沢和史

済州島


 沖縄県の与那国島から台湾は近い。距離にしたら100㎞強だろうか、台湾は高い山が多いから、年に何回か晴天の日には島から台湾が見えるという。与那国島から沖縄本島の那覇までの距離のおよそ5分の1。与那国島から東京間はなんとその20倍の距離。日本からもっとも近い外国と言えばロシアで、北海道の稚内の北端〝宗谷岬〟からロシアのサハリン島の最南端までの距離は43㎞しかない。(例えるならば東京~横須賀間程度)ロシアとアメリカは西と東の両巨頭というイメージを持つが、実は隣国同士。両国を遮るベーリング海峡はたった85㎞程度しかない。(東京駅から箱根まで……)「そうそう、離れているように思えて、実はお互い近距離でにらみ合っているんだよな」と、長いことずっとそう思っていたし、人に話したりしていた。しかし、今これを書きながら改めて地図も見直してみたらびっくり! ベーリング海峡のほぼ中心に浮かぶ〝リトルデオミード島〟と〝ビッグデオミード島(ロシア名ラトマノフ島)〟との中間点が日露の国境であり、島と島の距離はたったの3.7㎞(東京駅から2駅程度)だというのだから驚いた。にらみ合うどころか鼻と鼻がかすめ合っていると言っていい。「そんなことも知らないのか!常識だろう」という声が方々から聞こえてくるが、恥ずかしながら今の今まで知らなかった……。地図をそこまでズームインして見ていなかった。それにしてもロシアという国は巨大だ。東はアメリカ合衆国と隣接し、西はフィンランドと隣り合っているのだから、見る限り北半球の上半分と、地球の円周の半分近くを牛耳っているように見える。しかし、調べていくうちに再度びっくり! 我々が普段見慣れている地図は〝メルカトル図法〟という方式で描かれたもので、球体を強引に平面化しているため、極地に近い場所ほど大きく引き伸ばされる欠点があり、各国の本当の大きさが分かりづらい。ということは皆さんご存知のことだろう。したがって、赤道周辺の国々の大きさは実際の大きさに近く、南北に離れてけば行くほど大きく表現される。球面のままロシアを地球から剥がして赤道直下においてみると、大きいことは大きいがそれほどでもないことが分かる。ざっとオーストラリア2個分。逆に日本を切り取ってヨーロッパの横あたりに置いてみると、ヨーロパ諸国がイメージよりも小さく感じる。実は我が国はそれなりに大きいのだ。「それも常識だろう!?」と、これまた方々からため息が聞こえて来そうだが、頭ではわかっていても視覚的に見ると改めてハッとさせられる。地図というのは子供が〝最初に見る地球であり国家〟な訳だから、その時の印象がずっと頭に刷り込まれ、一生こびり付くはず。自分のように50歳を過ぎても地図の大きさと実際の大きさとの違いがピンときていない人が世界中に結構な数いるのではなかろうか? 地球に浮かぶ島々の本当の大きさを地理教育のまず最初に教える必要があるように思う。

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