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[2020.09]自宅にいながらアマゾンを体験! アマゾン・オンラインツアー

文と写真●東 千都

 コロナ禍で旅行に行けない状況が続き、ステイホームのストレスを抱えている人が多くいることだろうが、旅行業界も大打撃を受けている。そんな中、面白い企画が登場した。
 日本にいながらアマゾンを体験できるというオンラインツアー。在宅業務やzoom飲み会などで、使用頻度が格段に上がったツールzoomを利用し、現地のツアーガイドが生で案内してくれる。自宅にいながらアマゾンを体験できるということだ!

 今回、ツアーを企画した現地マナウス在住の島さんにお話を伺った。

島 準 プロフィール●東京生まれ東京育ちの52歳。東京外大ポル語科卒。日本人の妻との間に二男一女。大学在学中に1年休学してマナウスに1年滞在。それをきっかけにレールを外れることを決意。卒業後ブラジルに移住。以来人生の半分以上をブラジルで過ごす。赤道付近での生活も20年を超え熱帯仕様のメンタルになりつつあるが、日本人の繊細な感覚は忘れないようにしたいと切に思う今日この頃。
会社●前身は1971年アマゾン河口の街ベレンに設立されたATS-Amazon Travel Service社。1984年にマナウス支社を開設し、主に日本からの観光客対象のインバウンド業務を行うほか、フリーゾーンへ進出した日本企業向けのコーポレート業務に従事。またブラジルへ進出した日本航空の北伯総代理店(GSA)としても営業。その後1997年より分社し、ATS Viagens e Turismo Ltda.に社名変更し現在に至る。ブラジル政府公認オペレーターとしてインバウンド業務を行うほか、IATA公認旅行代理店としてコーポレートチケッティング業務全般を行う。事務所スタッフ9名のほか、専属日本語ガイド、英語ガイド多数。

Q:マナウスでのコロナの状況は現在どうなっていますか?

島 マナウスでの新型コロナ新規感染のピークは5月初旬でした。マナウスは工業団地があり様々な国の企業が工場を置いていること、またアマゾン観光で世界中から観光客が来ることから、ブラジルの中でも感染の始まりと進行が速かったと思います。一説によると既に集団免疫に近い状況とのことで、市内の活気は以前の状態に戻りつつあります。

Q:オンラインでのツアーをやろうと思ったきっかけは何でしょうか?

島 コロナ禍で一気に人が動かなくなり仕事が一時的にゼロになりました。何か出来ることは無いかと模索していた時に偶然「シティホテルにバーチャル宿泊する」という日本の体験記事をネットで読みました。記事の筆者は僕の想像に反し「これもアリ」との感想を寄せており、「これがありなら、アマゾンツアーのライブ配信はもっとアリのはず」と構想を始めたというわけです。

Q:ツアーの種類や見どころなど、お聞かせいただけますか?

島 現在は2種類、9月半ばからは3種類のライブツアーを定期開催していきますが、いずれも本当にその場にいるかのような臨場感が売りです。
 毎週火曜日催行のピンクイルカ見学ライブでは、資料でピンクイルカの起源を説明し、ピンクイルカ撮影中はネグロ河の水中映像の撮影にもトライします。水曜日開催のマナウス市場ウォーキングでは、浮桟橋で船に乗ってみたり、市場の中では日本で見られないような薬草や古代魚、巨大魚を間近に見られます。金曜日催行予定の二河川合流点見学ライブ(現在造成中)では、アマゾンの田舎の水上家屋集落を訪問したり、ピラルクーの生け簀では迫力の餌やりも見学、クライマックスの合流点では遥か彼方から流れてくる2つの大河の合流点を資料も含めて詳しく解説します。匂いや温度を伝えられない分、普段の観光では使わないような資料等を駆使し、深く見せることを意識しています。

Q:実際にオンラインツアーを行ってみて、お客さんの反応はいかがでしたか?

 オンラインで終わりでは無く、コロナ禍が落ち着いたら実際に行きたくなったという声が多いのは意外でしたし、とても嬉しかった。また、市場ウォーキングなどは「没頭してしまって、終わったら日本の夜にいることに気づいた」などの感想も複数寄せられており、催行側の僕らさえも予想していなかった臨場感が宿っているかもしれません。

Q:実際に現地に行けるようになるのが一番いいと思いますが、まだ行けない状況が続いている中での今後の展開についてはどのようにお考えでしょうか?

島 オンラインツアーは、日本のリビングにいながら、バーチャルに日本の反対側に存在するという不思議な臨場感を味わえる、ちょっと大げさな表現になりますが、新しいエンターテインメントだと思っています。サンパウロ等国内からの観光客の動きは少しずつ戻りつつあることを感じていますが、今後、ブラジル国外からの観光客が戻ってきてくれた後も、オンラインツアーは一つのジャンルとして細々とでも続けて行きたいですし、その価値があるアクティビティーだと思っています。

Q:日本の読者の皆さんにメッセージをお願いします。

島 まずは騙されたと思って、市場ウォーキングに是非参加してみてください。オンラインツアーの可能性を実感していただけると思いますし、「映画じゃなくても1時間半があっという間に過ぎる」という経験をきっとしていただけると思います。

 私は実際に、市場ウォーキングツアーと、ピンクイルカツアーに参加した。市場ウォーキングツアーでは、魚を捌く兄ちゃん達の喧騒や、薬草を売っているおばちゃんがせっせと商品を勧めてくれる様子など、まるでその場にいるかのような体験ができる。足りないものは、市場の匂いとおばちゃんが勧めてくれる試食ができないことだ。魚や薬草などマナウス独特のものがたくさんあるが、ガイドのキヨシさんが丁寧に説明してくれるので、とてもわかりやすい。マナウスに行ったことない人も、島さんによる事前説明があるので、前提知識が無くても充分楽しむことができる。質問があれば、zoomのチャット機能で質問し、スタッフが答えてくれるので、親切なツアーだ。
(オンラインツアーの写真は、主催の島さんに許可を得て撮影しました)

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 ピンクイルカツアーでは、ガイドのトモさんが実際に船でフローティングハウスまで案内してくれ、餌付けしてあるピンクイルカを呼んでくれる。いつもならば難なくすぐイルカは登場してくれるのだが、参加した日はたまたま他の場所で魚の群れが発生し、そこにイルカが行っている可能性があるということで、トモさんの実況や島さんの説明を聞きながら待つことに。まあそれもアマゾンからのライブ感ならでは。ハラハラしながら待っていると最後にはピンクイルカが登場してくれた!
 ピンクイルカがなぜアマゾン河にいるのか? またその賢さなど、途中で説明してくれる内容がとても興味深い。アマゾン河に行った気分になれる。自宅にいながらそれを感じられるのは、不思議であり、お得である!

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 今後は、ネグロ川とソリモンエス川の合流ポイント(これがまたすごい!)を見るツアーもできるとのことで、こちらも楽しみである。

 しばらくどこにも行けていなかったので、このようなツアーは面白かった。今までのことを考えると、オンラインでツアー? となるが、このような状況だと充分あり得るし、いい企画だと思う。ブラジルに行くのは大変だけど、このようなツアーだったら、参加しやすいのではないだろうか。

 実は、私は以前マナウスに行った時に、このトモさんに実際にガイドしてもらったことがある。面白いいいオジちゃんだという印象だったが、まさかオンラインで再会できるとは思ってもいなかった!まず、それに感激した。面白い時代になったものだ。

●マナウス市場ウォーキングツアー 毎週水曜 21:00〜(日本時間)開催
USD 25ドル(今なら期間限定でお得な割引中)

●ピンクイルカ観賞ツアー 毎週火曜 21:00~(日本時間)(9月の一週目のみ9/4開催予定)
USD 25ドル(今なら期間限定でお得な割引中)

申し込みは以下のサイトより。

↓アルファインテルさんホームページからは、日本円で支払い可能です。

(ラティーナ2020年9月)