見出し画像

[2018.09]ヂアナ・オルタ・ポポフ 正統ミナス音楽を 21世紀にアップデートする

文●花田勝暁 text by KATSUAKI HANADA

 トニーニョの右腕として活躍してきたユリ・ポポフ(b)の娘で、トニーニョの姪でもあるヂアナ・オルタ・ポポフ。2013年に素晴らしいデビューアルバム『Algum Lugar』をリリースして以降、リリースがなく大変寂しく思っていたところで、彼女に連絡をとるとセカンドアルバム『Amor de verdade』が完成したところだと言う。新世代のミナスの才能であることは間違いないが、彼女の音楽は楽理的に難解な方に向かうのではなく、ミナス音楽特有の大きなスケール感とハーモニー、温もりのあるメロディーを天然の才能で受け継いでいて、ミナス新世代と言っても特異な才能だ。

 『Algum Lugar』のサウンド面での新しさは、ミナス音楽と電子音楽の自然で軽やかな融合にあったが、セカンドアルバム『Amor de verdade』でのキーパーソンはアンドレ・メマーリで、アンドレのピアノやシンセサイザー・サウンドで、ヂアナの音楽が美しく着飾られている。ヂアナの楽曲の魅力や歌声の優しさが、聴くほどに染みてくる名盤となった。正統ミナス音楽を21世紀にアップデートするこの特別な才能に、日本でのアルバムリリースを前にメール・インタビューを行った。

続きをみるには

残り 1,680字 / 1画像
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…