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[2018.07]誰にも見つけられなかった ミュージシャンたち 〜「Rio de Música」プロジェクトは、 暴力によって荒れ果てたジャカレジーニョに住む子ども、若者、大人たちの 人生のトーンを変えるための道具を、音楽の中に探している〜

文●名倉亜希子 text by AKIKO NAGURA

 東京、大阪、熊本のエルメート・パスコアル公演を終え、そのバンドメンバーであるイチベレ・ズワルギとその息子、アジュリナン・ズワルギは、昨年に引き続き自身の「Música Universal(全員、万人の音楽)」と題される音楽ワークショップを東京で開催した。

 昨年参加したギタリストの助川太郎氏は、「ひたすらその場に対応して音楽の一部になる快感。その直後から僕は10年間していなかった作曲を再開し、そのまま自分のグループを結成、CDを制作するところまで刺激をいただきました」と後述し、ワークショップは参加者の人生を大きく動かしたようだ。

 アジュリナンのワークショップでは、偉大な父親の側で子どもの頃から体内に蓄積されたブラジル音楽の多様なリズムの数々が、パワフルに伝授され、参加者は「彼の優しさと自由さと音楽への愛情を教わった。技術よりも大切なことを教えてもらえた気がします」と感想を語った。

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