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島々百景 #41 波照間島

文と写真:宮沢和史

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 日本本島の海を知らない内陸地で生まれ育った自分にしてみたら、〝島に暮らす〟ということは人生最大の夢であり、いつか叶えてみたい究極の理想である。そんなに重く考えなくても、今の時代島の生活を成し得ることはそれほど難しいことではないだろう。書店には島巡りに特化した雑誌が刊行されているし、島への移住をサポートする雑誌や特集も時々目にする。(このたび書籍化され発売された宮沢のこの『島々百景』もそのひとつかもしれない──)しかし、残りの人生の拠点を島に置くとするならばそれなりの覚悟はいるように思う。これまで各地の島を彷徨うように旅を続けてきたのも、島で暮らすということはどのようなことを意味するのか? を来たるべき日のために無意識に探っているのかもしれない。

 島の暮らしというのは贅沢でのんびりしたイメージがあるが、歴史的に見れば、本来は生活していくために苦しい労働を強いられる過酷な地であることが多いように思う。大航海時代以降、グローバルに貿易がなされる中でお金が落ちる立地にあった島は幸運にも豊かな暮らしを得ることができた、という話を聞くことがあるが、極めて稀な例だろう。そこで、チャンスを得るために島を離れ別天地へ向かう者、さらに、海外へと移住する者を輩出する島もある。海外を行き来できるようになる前は、苦しい現実から遠く離れた海の向こうに理想郷があるはずだとする思想を持つ島も少なくないだろう。沖縄では〝ニライカナイ〟という考え方がある。そこははるか東の彼方にある、神や死んだ人間が住む異郷で、神も先祖もそこから現生にやってきて、豊穣をもたらし、また帰っていく場所、という概念である。ニライという言葉は〝根の方〟というニュアンスであり、日本神話の〝根の国〟とほぼ同じ概念であると言っていい。

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