2021年ベストアルバムを選んでいただきました！
（カタカナ表記のものは国内盤として発売されています）

●圷あくつ 滋夫しげお

今年も豊作過ぎて大御所の傑作でも想定内は選外。新人〜中堅と、大御所のチャレンジングな傑作から選出。順位を付けつつほぼ順不同。他にもTaylor Eigsty、Snowpoet、宮地 遼、Hiatus Kaiyote、Michael Mayo、Cleo Sol、Fi Marostica、Clara Presta、Clairo、Catbug、Ferran Palau、曇ヶ原、 Jaubi 等々、惜しくも選外作品が多数。特に昨年選んだ石若 駿が今年もジャンルを跨いで周辺の人々とコレクティヴ的に活躍しているのと同様、同じ日本最高峰のドラマー福盛進也が昨年立ち上げたレーベルNagalu等が今年本格的な動きを見せ、本人を含む多くの音楽家が重層的に参加し合って録音された各々のリーダー作がどれも素晴らしかった。ライブが先行し多分盤もリリースされるはずの林 正樹グループを始め、音楽以外の分野も巻き込んだ福盛進也とその周辺の動きは来年も要注目。①はジャンル分け不可唯一無二、内省的で深い音世界。②は2019年来日公演のジャズ×グナワの衝撃がさらに深化した最新型。③は秩父と世界が繋がり夢幻の風景が広がる。以下省略

① エスペランサ・スポルディング / ソングライツ・アポセカリー・ラボ

② Omri Mor, Mehdi Nassouli & Kalim Ziad / Assala

③笹久保 伸 / CHICHIBU

④ Nate Smith / Kinfolk 2：See the Birds

⑤ グレッチェン・パーラト / フロール

⑥ Diego Schissi Quinteto / Te

⑦ ベッカ・スティーヴンス&ザ・シークレット・トリオ / ベッカ・スティーヴンス&ザ・シークレット・トリオ

⑧ Hania Rani & Dobrawa Czocher / Inner Symphonies

⑨ ジェニフェル・ソウザ / パシフィカ・ペドラ・ブランカ

https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008345037

⑩ ナイール・ミラブラット / フントス・アオラ

●おおしまゆたか

ずいぶん偏った聴き方をしているなあ、と我ながら思う。意識してなるべく広く聴くようにしているつもりだけど、新しいのは一番好きなところになってしまうのか。パンデミックでも生活はそう変わらず。ライヴはもちろんほとんど無くなったが、録音を聴くのはむしろ増えたかもしれない。Bandcamp Friday でまとめて買いこむのが習慣にもなった。もっとも、必ずしも新しいものとは限らない。Christine Tobin のアルバムをまとめて買ったのが一番の収獲。ライヴ配信は好きではない。だいたい映像は要らない。とはいえむろん『マタイ2021』のような例外はある。ブツを買わず、ストリーミングで聴くのは増えた。一番楽しんだのは 52 Jazz Tracks for 2021 のブログ連載。キュレーションの有難さを実感した。
https://bristoljazzlog.wordpress.com/category/52-for-2021/52-for-2021-52-for-2021/

① Andy Irvine & Lillebjørn Nilsen / Live In Telemark

② John Francis Flynn / I Would Not Live Always

③ Jon Boden / Last Mile Home

④ Kris Drever / Where The World Is Thin

⑤ Patterson Dipper / Unearthing

⑥ Pete Seeger / In Osaka 1967

⑦ Sarah McQuaid /  The St Buryan Sessions

⑧ shezoo / マタイ受難曲2021：人は嘘をつく

⑨ たまひび / たまひび

⑩ V.A. / Songs Without Authors, Vol. 1

●岡本郁生

特にラテン音楽の場合、最近はもうCDがちゃんとリリースされなくて配信だけのことが多いし、アルバムなのかどうか？もよくわからないような状態だったりするので、ベスト・アルバムを選ぶという作業もずいぶん様変わりしたな～と実感しているところ。というわけで、アルバムということでいえばやはり、ルベン・ブラデス、サンタナ、エル・グラン・コンボといったベテラン勢が存在感を放っていたように感じました。かと思えば、あるイベント会場の物販コーナーで目に飛び込んできたのがアーロン・フレイザーのピンクのLP。思わずジェケ買いしたら中味も最高だったんで、やっぱり、こういう出会いはたまんないですね～！

① V.A. / IT'S A GOOD, GOOD FEELING: THE LATIN SOUL OF FANIA RECORDS

② Rubén Blades with Roberto Delgado & Orquesta / SALSWING!

③ Orquesta Akokán / 16 Rayos

④ Pedrito Martinez / Acertijos

⑤ Arturo O'Farrill / Dreaming In Lions

⑥ CRAZY KEN BAND / 好きなんだよ

⑦ El Gran Combo / El Cuarentena

⑧ Bad Bunny / El Último Tour Del Mundo

⑨ SANTANA / Blessings and Miracles

⑩ Aaron Frazer / Introducing…

●Shhhhh

自分が関わったもので恐縮ですが、ミャンマー音楽の再構築プロジェクト、“Kalab Mixed Myanmar #1” は思い入れあります。オーガニック・スロー・ダンス系は新作が大絶賛されたエルブオではなくレユニオン島の新鋭Eat My Butterflyを選びました、“music without borders” を謳うレーベルSHIKA SHIKAより。グレゴリオ聖歌は自分にとって初めての音楽体験。やはりすごいSam Gendelは新しいジャズとして、Marco Shuttleは新しいテクノとして。LA OLA INTERIORはバレアリックという括りから一歩進んだ自由なセレクトで新しさを感じました。

① V.A. / Kalab Mixed Myanmar #1

② 滞空時間 / MAJO

③ 笹久保 伸 / Chichibu

④ V.A. / LA OLA INTERIOR - SPANISH AMBIENT & ACID EXOTICISM : 1983-1990

⑤ Asa Tone / Live at New Forms

⑥ Eat My Butterfly / Labalamer 

⑦ V.A. / Zanzibara 10 - First Modern: Taarab Vibes From Mombasa & Tanga, 1970-1990

⑧ Sam Gendel / Fresh Bread

⑨ V.A. / Abbaye De Solesmes : Chants Gregoriens (Enregistrements Historiques 1930-1960)

⑩ Marco Shuttle / Cobalt Desert Oasis

（ラティーナ2022年1月）