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Web版 2022年6月

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#宮沢和史

[2022.6]【琉球音楽周遊❹】 鹿児島県 奄美諸島のシマ唄① | 宮沢和史

文●宮沢和史 *以下敬称略  “シマウタ” という言葉はそもそも奄美大島で使われていた言葉だという。“シマ” とはIslandではなく、その人の生活圏=村落、集落を指している。任侠映画のせりふにある「うちのシマ」というやつはその組織の縄張りという意味で、それと同じ意味合いの使われ方だと言っていい。我が集落ではこういう言い方をする、同じ歌であっても我が集落ではこう歌う、といったように相対的に自分のテリトリーを誇示する意味でシマという言葉は言い勝手が良いのだと思う。沖縄でも「

[2022.6] 【島々百景 第72回】 ポルト(ポルトガル) 

文と写真●宮沢和史  日本ではかつて『赤玉ポートワイン』が大流行した。この葡萄甘味果実酒は今から115年前の1907年(笠戸丸がブラジルのサントス港に到着した1年前)にサントリーの創業者である鳥井信治郎氏がヨーロッパのワインに手を加え、ワインにまだ馴染みのなかった日本人の口に合った果実酒を作ろうと試行錯誤を重ねて開発した日本初の大量生産可能な葡萄酒である。興味深いのはワインにいくつかのものを添加する上で、滋養というキーワードにこだわった点である。お酒というものは健康であって