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Web版 2022年10月

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#ブラジル音楽

[2022.10]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉞】ブラジルを代表する料理を囲んで — Feijoada completa

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  ブラジルに馴染みのある方が必ず思い浮かべる代表的料理といえば、豚の臓物や干し肉などと黒豆をじっくり煮込んだフェイジョアーダ (feijoada)でしょう。ホームパーティーに招かれた土曜の昼下がり、皆で食べ始めたはいいものの、美味さにつられてすっかり重くなったお腹を抱え、ハンモックで昼寝させてもらい、気づいたら日が暮れていたことがありました。ずっしりときますが、大鍋とおつまみを

[2022.10] 【連載アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉛】盟友に頼らずとも見事なジョビンの歌詞 - Luiza

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  この連載の23回目の記事では、TVドラマ用にジョビンに委嘱された名曲Anos dourados(黄金の年月)のため、シコ・ブアルキに託された歌詞が、シコのあれほどの才能にもかかわらず、ドラマ放映開始に間に合わなかったというお話をご紹介しました。また、連載5回目でご紹介した有名な曲Waveについても、最初は歌詞のない状態で推移し、途中でシコ・ブアルキにジョビンが歌詞制作を依頼し

[2022.10]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉗】 João Cavalcanti 『Ivone Rara 100 Anos da Dona do Samba』

文:中原 仁  ジョアン・カヴァルカンチ(1980年、リオ生まれ)は、レニーニの息子。リオのラパ地区のライヴハウスから羽ばたいた21世紀サンバ新世代のアイコンとなるグループ、カズアリーナ(Casuarina)の中心メンバーとして人気を確立した。  ラパ新世代の盟友、ペドロ・ミランダ、モイゼイス・マルケス、アルフレッド・デル・ペーニョとのプロジェクト、セグンダ・ラパでも活動。2012年、サンバだけなくポストモダンなMPBにシフトした、シンガー・ソングライターとしてのファース

[1988.9] 謙虚な女傑、ドナ・イヴォニ・ララ インタビュー [アーカイヴ記事]

文●國安真奈 text by MANA KUNIYASU  フンド・ヂ・キンタルとともに初来日、あたたかいステージを披露してくれたイヴォニ・ララ。彼女は質素な前合わせのワンピースのにありふれたサンダル姿で、騒々しいホテルのロビーの片隅でひっそりとソファーにその大きな体を沈めて、私たちを待っていた。金縁眼鏡のイヴォニは、昨夜の華麗なステージ姿とはうってかわって、まるでどこにでもいる公立小学校の先生のよう。しかし私たちの姿を認めた彼女の微笑にそんな失礼な想像は瞬 時にして吹き飛

[2022.10]完壁、大興奮のマリーザ・モンチ ブエノスアイレス公演全レポート!

文と写真●本田 健治 texto & fotos por Kenji Honda  アルゼンチンが南米では一番早く入国時の条件を緩和するという情報を得た7月後半になって、仲良くしているブラジルの仲間から「元気かい?」いつもブエノスに行っているけど,今度はいつ?」の電話。彼らとは、ブラジルの音楽だけでなく、ある大手鉄鋼会社の日本感謝祭の仕事、ザ・ブームのブラジル公演の仕事などを通じて一緒に汗をかいてきた仲間。彼はマリーザ・モンチ、セウ・ジョルジをはじめ、今やブラジルの大物アー