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Web版 2024年8月

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2024年8月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額9…
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記事一覧

[2024.8]【境界線上の蟻(アリ)~Ants On The Border Line〜22】 『AKIRA REMIX』とそれに呼応する現在進行形の動き

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  原作者の大友克洋が自ら監督を務めて制作され、1988年に公開された劇場版アニメーション映画『AKIRA』。第三次世界大戦を経た後の混沌とした2019年の〝ネオ東京〟を舞台に、それまでのアニメ作品とは異なるスケール感とインパクトを孕んだ内容でサブ・カルチャー全般に多大な影響を与えた『AKIRA』は、芸能山城組が手がけた音楽もまた強烈極まりないものであり、インドネシアのガムランやケチャ、ブルガリアをはじめとするヨーロッパ周縁

[2024.8]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2024年8月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Bedouin Burger · Ma Li Beitレーベル:PopArabia [30] 19位 Söndörgő · Gyezzレーベル:GroundUP Music [21] 18

[2024.8]現在のブラジル音楽を担う天才ギタリスト ジョアン・カマレロ 待望の来日!

文⚫︎Tatsuro Murakami ブラジルを代表するギタリスト、ジョアン・カマレロ待望の来日公演が10月22日に決まった。ゲストには、現代の音楽業界でその名を渡り歩かせている秩父出身のギタリスト、笹久保伸が演奏することになっている。その来日公演に備えて、本公演のプロデューサーである私 Tatsuro Murakami が、今回の見どころや出演者たちのプロフィール、彼らの音楽的ルーツ、そしてショーロという音楽の簡単な歴史までも振り返りながら記事を進めていきたいと思う。

[2024.8]【タンゴ界隈そぞろ歩き⑯】タンゴはピアソラと古典タンゴでできている…のか??

文●吉村 俊司 Texto por Shunji Yoshimura 個人的に最近時々気になっているのが、ライブやコンサートなどで演奏者が「今日はピアソラだけでなく古典タンゴも演奏しますよ!」などと言うケースがあること。あるいはリスナーの方で「ピアソラばかりじゃなく古典タンゴも聴きますよ」とか。話し手の認識では、タンゴは《ピアソラ(の現代タンゴ)》と《古典タンゴ》に二分されるのだろう。 いえ、気持ちはわかるのですよ。確かにピアソラ以前と以後でタンゴは変わった。でもちょっと

[2024.8] 【映画評】酷暑の夏に観る長尺の傑作2本〜『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』 『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』

酷暑の夏に観る長尺の傑作2本 『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』 『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター)  インド映画が長いのは、自宅にまだ冷房が完備されていない庶民が、暑さをしのいで涼むのを目的の一つとして映画館を訪れるからで、短いと早く外に出なければならないのでクレームが入る。と、真偽の程が分からない話を聞いたことがあるが、日本でもこれだけ暑い日が続くと、こんな話ももっともらしいと信じたくなってしまう。さて相変わらず猛暑が続

[2024.8]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」 ㊾】 Alaíde Costa 『E o Tempo Agora Quer Voar』

文:中原 仁  2024年の12月で89歳を迎える歌手、アライーヂ・コスタ。50年からプロ活動し、最初はボレロを中心に歌っていたが、50年代末、ジョアン・ジルベルトの手引きでボサノヴァ人たちを紹介されてボサノヴァ歌手となった。音楽仲間からリスペクトされる存在だったが、黒人であるため名声に見合った仕事を思うように得ることができずにいた。  その後、音楽の幅を広げ1972年、ミルトン・ナシメントの『Clube da Esquina』に参加して歌った「Me Deixa em P