世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2021.10]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り15】 沖縄の豊年祭 −夏の節目を祝う祭り−
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[2021.10]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り15】 沖縄の豊年祭 −夏の節目を祝う祭り−

文:久万田晋(沖縄県立芸術大学・教授)  沖縄では旧暦八月十五夜前後に、多くの地域で祭りが行われる。この祭りは「豊年祭」と呼ばれることが多い。しかし「豊年祭」とは、日本本土から伝わった言い方であり、沖縄で昔からあった呼び名ではない。この祭りは、いったい何のための祭りなのかについて考えてみたい。  まず祭りの名称についての方言呼称を見てみると、沖縄本島北部では村踊り、本島中部では村遊び、また宜野湾市近辺では廻遊び(数年に一度開催されることに由来)と呼ばれている。また沖縄本島

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[2020.03]先人を偲び、島唄を未来へと継承する「島唄継承」 〜歌の情けが染み入る前川朝昭の世界〜
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[2020.03]先人を偲び、島唄を未来へと継承する「島唄継承」 〜歌の情けが染み入る前川朝昭の世界〜

文●岡部徳枝/写真●奥西 奨 text by NORIE OKABE / photos by SHO OKUNISHI  2015年から沖縄市の「ミュージックタウン音市場」にて毎年12月に開催されている「島唄継承」。沖縄民謡界に名を残す偉大な先人たちにリスペクトの意を表して、彼らが遺した曲を現役の唄者が歌い弾き、島唄を未来へ継承していこうというイベントだ。毎回ある人物にフォーカスするシリーズ公演で、第5回目となる2019年12月8日は「前川朝昭の世界」をテーマに開催。〝イチ

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[2019.06]島唄継承 先人たちへリスペクトを贈り 未来へ島唄を継承する
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[2019.06]島唄継承 先人たちへリスペクトを贈り 未来へ島唄を継承する

文●岡部徳枝/写真●奥西 奨 text by NORIE OKABE / photos by SHO OKUNISHI  2015年から沖縄市の「ミュージックタウン音市場」にて年に一度12月に開催されている「島唄継承」。沖縄民謡界に名を残す偉大な先人たちにリスペクトの意を表し、彼らが遺した名曲を現役の唄者が歌い継ぐ。そして未来へ島唄を継承していこうというイベントだ。毎回ある人物にフォーカスしていくシリーズ公演で、第一回は普久原朝喜、第二回は知名定繁、第三回は嘉手苅林昌と小浜

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[2018.08]堀内加奈子 土地から土地、人から人へと辿り歩き、音楽で心を通わせ、可能性を切り拓いてきた軌跡 『肝美らさ』
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[2018.08]堀内加奈子 土地から土地、人から人へと辿り歩き、音楽で心を通わせ、可能性を切り拓いてきた軌跡 『肝美らさ』

文●岡部徳枝/写真●野村恵子 text by NORIE OKABE /photo by or photos by KEIKO NOMURA  大城美佐子に弟子入りして18年。北海道出身の沖縄民謡唄者、堀内加奈子が結婚・出産を機に2枚組アルバム『肝美らさ』を発表した。全19曲、勝井祐二、坂田明、柳家小春など多彩なジャンルのアーティストと共演した本作は、三線ひとつで国内外を飛び回り、各地でセッションを重ねてきた彼女の集大成というべき作品。出産から半年、早くも活動再開している〝

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[2021.09]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り14】 奄美大島のショチョガマ・平瀬マンカイ −夏の節目における稲魂の招来−
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[2021.09]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り14】 奄美大島のショチョガマ・平瀬マンカイ −夏の節目における稲魂の招来−

文:久万田 晋(沖縄県立芸術大学・教授)  奄美では旧暦8月の初丙をアラセツ(新節)、その後の初壬をシバサシ(柴挿)と呼び、一年で最も重要な節目(折目)となっている。これにドゥンガ(シバサシ後の甲子)を加えてミハチグヮチと呼ぶ。アラセツやシバサシは、たんに奄美にとどまらず南島の島々に広範囲にひろがる夏の大きな節目の行事である。この夏の節目、区切りの時期に後生から戻り来る先祖の霊を歓待する一方で、悪霊を祓い家屋の厄災を祓い清める。そのために奄美各地で行われるのが八月踊りという

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[2021.08]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史⑦】もうひとつの戦争体験

[2021.08]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史⑦】もうひとつの戦争体験

文●月野楓子  オリンピックが終わった。言いたいことは色々あるけれど、ひとまず置いておくとして。  沖縄では、空手の喜友名諒選手が沖縄に初めてのオリンピック金メダルをもたらしたことに沸いた。喜友名選手の行きつけという食堂のおばぁが嬉しさで踊っている様子がテレビで流れ、見ているこちらまで嬉しい気持ちになった。  喜友名選手の母校は沖縄国際大学だ。大学のwebサイトにも早速お祝いのメッセージが掲載された。そこで同時に目に入るのは、8月13日「普天間基地の閉鎖を求め、平和の尊さ

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[2021.08]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り13】 八重山のアンガマ −帰還する祖先神との交流−
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[2021.08]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り13】 八重山のアンガマ −帰還する祖先神との交流−

文:久万田晋(くまだ・すすむ 沖縄県立芸術大学・教授)  沖縄県の南端に位置する八重山の島々では、旧盆(盂蘭盆)のことをソーロン(精霊)と呼ぶ。島によっては、この時期にアンガマといって顔を笠や手拭いで覆い隠した青年男女の一行が集落の家々を歌い踊りながら巡り廻るのである。一行の先頭にはウシュマイ(爺)とンミ(婆)と呼ばれる老人の面を付けた存在がいて、各家で人々と数々の問答を行う。この老人は旧盆にムラに還ってきた先祖の代表すなわち祖先神であり、それに続く一行は祖先神に従う精霊た

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[2021.08]【島々百景 第63回】黒島|沖縄【文と写真 宮沢和史】

[2021.08]【島々百景 第63回】黒島|沖縄【文と写真 宮沢和史】

文と写真●宮沢和史  沖縄を旅するようになった1990年代初頭の那覇空港は今よりいいもずっとこぢんまりとしていた。空港に着いてから離島行きの便に乗り換えるには、一旦ターミナルから出て、徒歩で離島行きの別のターミナルまで歩かなければならなかったのも今思えばユニークな思い出だが、その数百メートルの間に沖縄の暑さを直接肌で感じ、離島への旅に想いを馳せるのにちょうどいい時間だった。八重山の島々を旅したいのならまずそこから石垣島へと向かう。日本最西端の与那国島へは那覇からも空路で渡れ

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[2021.08]ラティーナ流 おいしいワールド・レシピ⑬ 暑い夏を乗り越える沖縄料理~スブイ汁(シブイ汁)
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[2021.08]ラティーナ流 おいしいワールド・レシピ⑬ 暑い夏を乗り越える沖縄料理~スブイ汁(シブイ汁)

レシピ提供と写真●宮沢和史 本エントリーは、8/18(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。   今月は、旬の野菜である冬瓜を使った沖縄料理を宮沢さんにご紹介いただきます。冬瓜はカリウムを多く含む夏野菜です。夏、汗をかいて失われたカリウムを補う効果もあり、ビタミンCも含まれているので、夏バテ対策にはピッタリです。  店頭で売られている冬瓜は大きいものが多いかもしれませんが、余ったものは皮をむいて使い易いサイズにカットして冷凍できます

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[2021.07]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り12】 沖縄の木遣り歌 「国頭サバクイ」

[2021.07]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り12】 沖縄の木遣り歌 「国頭サバクイ」

文:久万田晋(くまだ・すすむ 沖縄県立芸術大学・教授)  沖縄の民謡の目立った特徴として、労働歌、作業歌が少ないということがある。日本本土の民謡なら、たとえば田植唄、田草取り唄、麦刈唄、麦搗唄、糸紡ぎ唄、地曳網唄、馬追唄、杭打唄…… というように、ありとあらゆる仕事、作業の工程に関わる民謡が存在する。その裾野の広がりを明らかにすることは、これまでの日本民謡研究の重要な目的のひとつでもあった。ところが、沖縄ではなぜか労働歌、作業歌が少ない。ここでその理由を明らかにすることはで

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