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#沖縄

[2022.5]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り22】 歌の変遷 古謡から節歌、新民謡へ−《安里屋ユンタ》を例に−
文:久万田晋(沖縄県立芸術大学・教授) 沖縄の歌として全国的にもっともよく知られているのは《安里屋ユンタ》であろう。しかしこれは昔から地域で伝えられてきた民謡ではなく、沖縄県南端の八重山諸島に伝わる古謡を元に昭和初期に創作された新民謡なのである。「新民謡」とは、大正期から昭和初期に創作された民謡調の歌謡のことで、当時勃興し始めた流行歌の一大潮流ともなった。新民謡《安里屋ユンタ》は古謡《安里屋ユンタ》をもとに昭和9 (1934)年に創作され、日本コロムビアからレコードが発売
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[2022.4]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り21】 女が布を織り、男を守る歌―「うりずんグェーナ」、「かせかけ」を例に―
文:久万田晋(沖縄県立芸術大学・教授) 沖縄も4月を過ぎると、暖かく湿った南風の吹く日が増え、日差しがさらに強くなり、いよいよ夏の到来を予感する季節となる。沖縄ではこの旧暦2、3月頃の時期を指して「うりずん」という。この初夏を意味する「うりずん」という語は沖縄の古歌謡集「おもろさうし」にも現れる古語であり(「おれづむ」、「おれづも」と表記される)、沖縄の風土に基づく長い歴史と深い文化的背景を持つ言葉なのだ。 15世紀初頭から19世紀後半まで450年にわたり琉球国の王都で
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[2022.3]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り20】 沖縄に伝わる弥勒の歌 −《赤田首里殿内》と《弥勒節》を例に−
文:久万田晋(沖縄県立芸術大学・教授) 400年余続いた琉球国の王都であった首里には《赤田首里殿内》という歌が伝わっている。 この琉歌調(8886)の歌詞の後には「シーヤープー シーヤープー イーユヌミー イーユヌミー ミーミンメー ミーミンメー ヒージントー ヒージントー」という不思議なハヤシ詞が続いている。この部分を児童たちが体の動作を伴って歌うことから《赤田首里殿内》は童歌ともされている。「赤田首里殿内」とは、沖縄の信仰体系の頂点である聞得大君に次ぐ3人の高級神
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