マガジンのカバー画像

Web版 2023年1月

17
2023年1月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額9…
¥950
運営しているクリエイター

記事一覧

[2023.1]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~4】 BAP. (インドネシア)

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  インディ・ポップ、ハードコア・パンク、AOR的な感覚のシンガーソングライターにジャジー・ソウルやミニマル・テクノなど。あらゆるジャンルに傑出した才人やバンドが存在するインドネシアの音楽シーンだが、ヒップホップにおいて注目しておいて欲しいのがラッパーのBAP.だ。インドネシア発のヒップホップでは、88risingに所属するリッチ・ブライアン(リッチ・チガ)が世界的な成功を収めて話題を集めたが、1996年生まれのカリーム・ソ

[2023.1]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ㉚】 沖縄に渡ったミクロネシアの行進踊り ―島民ダンスからバッサイロンまで―

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  前号で、小笠原の南洋踊りをご紹介しましたが、実はこれと同系統の行進踊りが、沖縄本島や八重山諸島にも伝わっているのです。うるま市栄野比では「島民ダンス」、宜野座村惣慶では「南洋踊り」、恩納村仲泊では「南十字星」と呼ばれ、敬老会や観月祭など集落の年中行事など、さまざまな場で余興として演じられています。かつてこの踊りを南洋から宜野座村惣慶に伝えた方のお孫さんは、小笠原の南洋踊りを見て、似たような踊りがあることに驚いたそうです。また、小笠原

[2023.1]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㊳】厳しい戦いの歌のB面で美しく響く — Desalento

文と訳詞●中村 安志 texto por Yasushi Nakamura  この連載の27回目で、シコ・ブアルキが、弾圧を逃れ生活していたローマから帰国してすぐに、真正面から体制を批判してみせたApesar de vocêという、とても重い内容の作品を紹介しました。  シコの長い活動の中でも、最も厳しい圧力を受けていた頃の作品と位置付けられる作品で、祖国の状況が改善していると思って戻ったというのに、むしろ人権抑圧は深刻化していたことが後で判った中でも、この曲を世に出すこ

[2023.1] 【島々百景 第79回】 ブエノスアイレス① アルゼンチン

文:宮沢和史  この3年間は南米からすっかり足が遠のいた。南米に限らず自分は一度も国外へは出ていない。「2023年こそは南米で歌が歌える」と意気込んでいたものの、もはや、第何波なのか知らないが、去年の11月から1日の感染者数が増加に転じ、クリスマスと正月休みをきっかけに感染者数を示すグラフが再度高波状態に推移している。ゼロコロナ政策をあっさり放棄した中国では春節を前に人口の半分弱、メディアによってはもっとずっと多くの人が感染したと伝えている。かたや、サッカーワールドカップ 

[2023.1]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2023年1月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Mahsa Vahdat & Skruk · Braids of Innocenceレーベル:Kirkelig Kulturverksted [-] 19位 Angelique Kidjo & I

[2023.1]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉚】 Moa Vive 『Moa Vive』

文:中原 仁  「2022年ブラジル・ディスク大賞」の関係者投票で僕が3位に選んだのが、亡きバイーアの偉人、メストリ・モア・ド・カテンデー(Mestre Môa do Katendê)の『Raiz Afro Mãe』だった。SpoifyやApple Musicにはシングル扱いで12曲アップされているが、実質的にはアルバムになる。  2022年11月には『Raiz Afro Mãe』の続編にあたる『Moa Vive』がデジタル・リリースされた。このアルバムを紹介しよう。

[2023.1]【連載アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉞】ミウーシャを本当に治してしまったという、まじない師への電話 - Dinheiro em penca

文と訳詞●中村安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  ボサノヴァ以降のブラジルポップス界で活躍した作詞家に、カカーゾ(本名:アントニオ・カルロス・フェレイラ・ジ・ブリット)という人がいます。惜しいことに、43歳という若さで、心臓麻痺のため他界しましたが、個性的な歌をいくつも残しました。  長く愛されている作品といえば、例えば、名手エドゥ・ロボとの共作で、「俺はブラジルの男/背格好は平均程度/誰かに首ったけ・・・」と歌う、Lero

[2023.1] 【映画評】 『モリコーネ 映画が恋した音楽家』 ⎯⎯ 世界最高の映画音楽作曲家エンニオ・モリコーネ。その挫折と栄光に彩られた人生と音楽の秘密とは?

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』 世界最高の映画音楽作曲家エンニオ・モリコーネ。 その挫折と栄光に彩られた人生と音楽の秘密とは? 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター)  映画音楽の巨匠と言えば?と聞かれたら、迷わず最初に思い浮かべるのはエンニオ・モリコーネだ。他にもモリコーネ同様半世紀以上も前から多くの名画を彩ったミシェル・ルグラン、ニーノ・ロータ、フランシス・レイや、近年ではアレクサンドル・デスプラ、ガブリエル・ヤレド、ヨハン・ヨハンソン、ニコラス・ブリテル、クリフ・

[2023.1]Best Albums 2022 ④

2022年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)

[2023.1]2022年ブラジルで流行った音楽

文と写真●島田愛加 ブラジル音楽は一度ハマったら出口がない! 日本の22.5倍に及ぶ広大な面積、多様な人種から生まれたブラジル人が作り出す音楽はいつも創造性にあふれています。インターネット時代にもかかわらず、地域によって音楽のトレンドが異なるのも大きな魅力の1つです。 ブラジル各地のレポートもしたいところですが、今回はブラジル人の約70パーセントが利用しているストリーミングサービスのヒットチャートとソーシャルメディアからみるトレンドを元に、2022年にブラジルで流行っ

[2023.1]2022年ブラジルディスク大賞 関係者投票③

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。 (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●濱瀬元彦1、4のモニカさんは素晴らしいが、4のメマーリは自分を出しすぎ。2のエリアーヌは歌手キャリアとしては最高の作品。3、 傑作。5、二人の超絶技巧を楽しもう。 6、“São” は彼としてもっとも聴きやすい作品となった。7、ジョイスの未発表録音のリリース。8、ヴェロニカがサブスクでのみ発表している作品群の一つ。9、貴重な作品。10、非常に質の高いアバンギャルド。一方、ミナ

[2023.1]2022年ブラジルディスク大賞 関係者投票②

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。 (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●高木慶太1. POSS / Proteja Os Seus Sonhos, Vol.2 2. レチエレス・レイチ & オルケストラ・フンピレズ / モアシール・ヂ・トドス・オス・サントス 3. João Donato / Serotonina 4. マルセロ・ガルテル / バシア・ド・コブリ 5. Becca Perret / Na Becca 6. Clara

[2023.1]2022年ブラジルディスク大賞 関係者投票①

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。 (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●麻生雅人分かりやすいアフロ・ブラジル・サウンド部分をそぎ落として歌声と音響の溶け合い方を深化させたシェニア・フランサの2作目は10年の1度の名盤だと思う。バッコ・エシュー・ド・ブルーズも歌心にヤラれた。黒人意識の日に合わせてリリースされたプロジェクト作品「POSS」第二弾では世代やジャンルを超えて黒人アーティストが交流した。Youtubeで注目されていたアギネス・ヌニスも満

[2023.1] 決定! ブラジルディスク大賞2022

本誌とJ-WAVEの長寿番組「サウージ!サウダージ・・」が共同主催、27回目を迎えたブラジル音楽の年間アルバム・ベスト10「2022年ブラジル・ディスク大賞」。一般投票(総数2,933票)、関係者投票のベスト10が決定しました。 ビッグ・アーティストの新作リリースが重なり、過去5年間で最多得票となった2021年には及ばなかったが、2020年を上回る得票数となった。投票に参加してくださった皆様、ありがとうございました。 関係者投票は18名の選者が各10作品を選出し、1位