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Web版 2024年1月

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2024年1月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額9…
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#ワールドミュージック

[2024.1]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~15】にわかに良作が続くセネガル音楽シーン

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  様々なジャンルを同時進行的に追っていると、たまにまったく相容れそうにないフィールドから同じ方向に向かっている動きを観測できることがあるが、最近にそれが起こっているのがセネガルの音楽だ。セネガルといえば、80年代のワールド・ミュージック隆盛期の旗手的存在となったユッスー・ンドゥールのンバラを筆頭に、強靭なサバ―ル・ドラム、アフロ・ラテン音楽、ヒップホップ、ジャズなどのあらゆるジャンルにおいて才人を輩出し続けてきた西アフリカ

[2024.1]Best Albums 2023 ④

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●清川宏樹個人的には、コロナ禍を経てタンゴへの熱狂はやや冷めてしまったようで、少し距離を置いて過ごした1年だった。溌溂とした新鮮さと驚きに満ち、かつタンゴとしてのアイデンティティを持った新作は、実はあまり多くないのかも知れない。けれどもここに挙げた作品(①~⑤)には、新しい音への野心や、先人たちへの敬意といった、リスナーを惹きつける磁力を感じた。①は古典タンゴの様式美をモ

[2024.1]Best Albums 2023 ③

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●長屋美保メキシコでアーリーレゲエ系アーティストたちの公演が多くあったために、日常ではジャマイカ音楽ばかり聴いていたが、新たな発見も多かった1年。1〜6はメキシコのアーティストたち。1と2はミクスチャー・ラテングループのロス・アグアス・アグアスのシンガー、ハラーナ奏者のエドゥイン・バンダラ・マヨラルが参加するアフロカリブ系伝統音楽のソン・ハローチョを新しい形で聴かせるプロ

[2024.1]Best Albums 2023 ②

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●宇戸裕紀以前ラティーナで働いていた頃は山のようにCDを聴いていた中から10枚に絞るのにかなり苦労したものだが今ではCDに触れることが少なくなった分、絞り出すのに苦労するようになった。そんな中でもまずはガイア・ヴィルメルの圧巻のラインナップにはブラジルの豊穣さを感じた。アルゼンチンからはラテンアメリカの深い精神性がにじみ出たようなサンティアゴ・アリアスがバンドネオンで描き