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Web版 2022年7月

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#沖縄

[2022.7]ラティーナ流 おいしいワールド・レシピ⑱ 沖縄の炊き込みご飯〜クファジューシー〜

文と写真●宮沢和史  近頃は沖縄料理が珍しいものではなくなり、すっかり市民権を得た感があります。「島唄」を発表した今から30年前には東京といえどもそう何軒も沖縄料理店を見つけることはできませんでした。今では大きな街ではほぼ沖縄料理店や居酒屋の暖簾をくぐることができますね。しかも、料理本やネットでのレシピサイトのおかげで家庭でも本格的な沖縄料理を再現できる時代になりました。  ご飯を使った沖縄料理のジューシーをご存知の方は多いと思いますが、ジューシーには二種類あるのをご存知

[2022.7] 【島々百景 第73回】 読谷村(沖縄県)

文と写真:宮沢和史  今年2022年は沖縄にとってとても大切な一年である。言うまでもなく1972年5月15日に沖縄がアメリカから日本に返還されてから今年でちょうど50年。沖縄の人達の知る由のないところでの水面下の日米の合意による返還では米軍施設は残留したままとなり、沖縄の人々が望む完全なる形での本土復帰ではなかったことから、この50年の間、節目の年にはたくさんの意見が交わされてきた。その後、アメリカの軍事施設の一部が返還され開発されたりしたりと、それなりの進展はあったものの

[2022.7]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り24(最終回)】 奄美・沖縄の民俗芸能にみる性別と歌唱法 −島々の踊り歌を例として−

文:久万田 晋(沖縄県立芸術大学・教授)  これまで本連載において、奄美・沖縄の島々に伝わる様々な祭りや歌、芸能について紹介してきた。今回はそれらの中から、特に各地の踊り歌を例にとって男女の役割分担や歌い方(歌唱形式)の問題について考えてみたい。 【事例1】奄美諸島北部の八月踊り  奄美大島では旧八月のアラセツ、シバサシ行事や八月十五夜を中心として、地域の老若男女によって八月踊りが踊られる。踊り方には、ヤサガシ(家探し)といって集落の各家を回り踊る方法と、公民館などの広

くちずさめる音楽を遺したい ⎯⎯ 新ユニット「ジュス(笹子重治+ゲレン大嶋+宮良牧子)」の活動をスタートした笹子重治とゲレン大嶋にきく

インタビュー・文●佐藤英輔  ギタリストの笹子重治と三線奏者のゲレン大嶋の出会いは、30年前の沖縄に遡る。飲み友達になった二人だったが、コロナ禍を引き金にソングライターのユニットを結成。そして、ゲレン大嶋と一緒のグループにいた石垣出身のシンガーである宮良牧子がそこに加わり、ジュスは結成された。早速仕上げられたデビュー作『サガリバナ~島をくちずさむ Vol.1』には沖縄に対する思慕を介しての得難いメロディと歌唱と演奏が付帯し、聴く者をもう一つの地へと誘う。そんな確かな訴求力を