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Web版 2023年6月

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2023年6月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額9…
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記事一覧

[2023.6]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~9】ウルトラズーク (フランス)

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  プログレとワールド・ミュージックというと何だか相性が悪そうだが、実のところそのクロス・ポイントは過去にも数多く、繋がりは深い。例えば、80年代後半のワールド・ミュージック・ブームを牽引した重要バンドのひとつである3ムスタファズ3には、英国プログレのキャメルのメンバーなどが在籍していたし、WOMADの立ち上げやリアル・ワールドの設立によってシーンの隆盛に尽力したピーター・ガブリエルも元ジェネシスのボーカリスト。2000年代

[2023.6]【連載タンゴ界隈そぞろ歩き ④】 タンゴとエレキギター その1

文●吉村 俊司 Texto por Shunji Yoshimura 前回ギタロンに焦点を当てつつタンゴにおけるギターやギターアンサンブルの界隈を歩き回ってみたのに続き、今回はタンゴとエレキギターの界隈へと足を伸ばしてみたい。実はこの話は日本タンゴ・アカデミー機関誌「タンゲアンド・エン・ハポン」44号 (2018年9月) にも書いたことがあるのだが、改めて書き進めるとどうやら1回の記事では収まりきらない様相となってきた。そこで今回は、タンゴにエレキギターが導入された初期の頃

[2023.6]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2023年6月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Naïssam Jalal · Healing Ritualsレーベル:Les Couleurs du Son [20] 19位 Brìghde Chaimbeul · Carry Them Wi

[2023.6]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉟】 Zé Ibarra 『Marquês, 256.』

文:中原 仁  7月に初来日して「FESTIVAL FRUEZINHO 2023」に出演する、ブラジルZ世代のスーパー・グループ、バーラ・デゼージョ。ファースト・アルバム『SIM SIM SIM』は「2022年ブラジル・ディスク大賞」一般投票で第1位、音楽関係者部門で2位を獲得した。2022年11月発表の「第23回ラテン・グラミー」では「Best Portuguese Language Contemporary Pop Album」を受賞。5月31日に発表された「Prêmi

[2023.6] 【映画評】 『怪物』 ⎯⎯ 是枝裕和と坂元裕二。ついに実現した夢のコラボレーションの破壊力。

是枝裕和と坂元裕二。ついに実現した 夢のコラボレーションの破壊力。 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター)  本作は是枝裕和監督の最新作だ。カンヌで最高賞パルムドールを獲った『万引き家族』以降、フランスで『真実』を、韓国で『ベイビー・ブローカー』を、殆ど現地のスタッフ/キャストで制作するという挑戦を続けできたが、本作では映画デビュー作『幻の光』以来の、脚本を人に委ねるという新たな境地に挑んでいる。しかも今迄に何度かの対談等で互いにリスペクトを表明し合い、「もし脚本家と組むなら

「アストラッドは星になり、ジョアン・ジルベルトの隣にいます」 ─ アストラッド・ジルベルトが他界

 「イパネマの娘」の声となった歌手のアストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)が、6月5日(月)夜に、他界しました。83歳でした。  彼女の孫娘、歌うのが好きなソフィア・ジルベルト(Sofia Gilberto)が、Instagramで発表しました。  今のところ、死因や亡くなった場所などは、明らかになっていません。  度々、来日公演を行なっており、「ボサノヴァの女王」と称されてきました。  日本語での録音もありました。これは、渡辺貞夫の曲を日本語で歌って

[2023.6]ダンス・フロアに流してきた、唯一の楽団タンゴ・バルド来日!

文●Yuko AMANO  2010年代から徐々に増え始めた、新しい世代のミュージシャンによる新興タンゴ楽団。なかでも2017年に「ロマンティカ・ミロンゲーラ」が一大旋風を巻き起こすと、それまで同時代の楽団など見向きもしなかったミロンガの民も、彼らの録音を熱狂的に受け入れ、積極的に踊り始めた。流行りものはとりあえずフロアにぶち込んどけばいいや、という発想で、全世界のタンゴのダンス・フロアには、ロマンティカを中心とした新興楽団の録音が鳴り響きはじめる。それは、まさしく熱病のご