見出し画像

[2021.05]【ピアソラ~生誕100年】超実用的ピアソラ・アルバム・ガイド on Spotify Part 8

文●斎藤充正 texto por Mitsumasa Saito

[著者プロフィール] 斎藤充正 1958年鎌倉生まれ。第9回出光音楽賞(学術研究)受賞。アメリカン・ポップスから歌謡曲までフィールドは幅広い。世界のピアソラ・ファンがピアソラのバイブル本として認めている『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』の著者であり、ピアソラに関する数々の執筆や翻訳、未発表ライヴ原盤の発掘、紹介などまさにピアソラ研究の世界的第一人者。
※こちらの記事は、5/12からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから

 今月(5月)には、3月に生誕100年を迎えたアストル・ピアソラの関連行事が続く。

 まず、ご案内がギリギリになってしまったが、5月4日(火・祝)はNHK-FMで12時15分から21時15分まで『今日は1日“ピアソラ”三昧』が生放送される(18時50分から19時20分までニュース中断あり、一部収録あり)。バンドネオンの小松亮太と竹内香苗アナウンサーを案内役に、コーナーごとに様々なテーマを設け、リクエスト・コーナーを挟みながらの9時間。トーク・ゲストも国府弘子、美輪明宏と豪華で、私も後半に登場予定。番組のホームページはこちら。
https://www4.nhk.or.jp/zanmai/397/

らじる★らじるにて5月7日正午から1週間限定で配信中。
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=0097_01

 東京フィルハーモニー交響楽団の5月定期演奏会に於いて、ピアソラが1951年に作曲したオーケストラ作品『シンフォニア・ブエノスアイレス』(作品15、原題は『ブエノスアイレス(3つの交響的楽章)』)が日本初演される。指揮はアンドレア・バッティストーニ、バンドネオンは小松亮太と北村聡。公演は次の3回が予定されているが、無事に開催されるのを祈るのみだ。
 5月12日(水)19:00 東京オペラシティコンサートホール
 5月13日(木)19:00 サントリーホール
 5月16日(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール

1978年~80年

 さて、1978年3月にラウラ・エスカラーダと一時帰国したピアソラは、「シンセサイザーにはもう飽きた」と表明、キンテートの再結成を示唆し、実際に5月から演奏活動を再開した。新しいキンテートのメンバーは以下の通り。

ここから先は

4,124字 / 9画像

このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…