文●編集部
北川民次という画家をご存知だろうか?
1914年(大正3年)に20歳で渡米、ニューヨークやマイアミなどで働きながら絵を学び、1923年(大正12年)にメキシコへ行く。
当時のメキシコは革命後の壁画運動に沸いていた。壁画運動とは、革命の意義やメキシコ人としてのアイデンティティーを、わかりやすく印象的に民衆に伝えることを目的とし、その媒体として誰でも見れる壁が選ばれた。
メキシコでは、新進画家、美術教員として活動、1936年に日本に帰国した後は、東京・池袋を経て愛知・瀬戸に居を定め、晩年まで精力的に作品や著作を発表した。
本展では、メキシコ時代から一貫してみられる、市井の人々への温かなまなざしと鋭い社会批判をはらむ代表作に加え、未来の社会をつくる子どもに向けた絵本や美術教育の仕事、また1955年のメキシコ再訪を経て取り組んだ念願の壁画などにも注目している。
油彩約60点、水彩、素描、版画など約50点に、1920〜30年代メキシコの多様な芸術動向に関する資料、当時交流した芸術家たちの作品を加えた約180点により、北川民次の表現を多角的に見つめる、約30年ぶりの回顧展となる。
会期中ミュージアムショップでは、北川民次展のオリジナルグッズのほか、色とりどりのメキシコ雑貨や、メキシコのコーヒー、紅茶、チョコレートなども多数販売されるとのこと。メキシコ、中南米を愛するe-magazine LATINA の読者の方にぜひ足を運んでいただきたい展覧会です。
また、関連イベントも開催されます。ぜひこの機会にご覧ください!
(ラティーナ2024年9月)