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[2023.12]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」 ㊶】 Aguidavi do Jêje 『Aguidavi do Jêje』

文:中原 仁

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 80年代のオロドゥン、90年代のチンバラーダから随分と間が空いたが、バイーア発のパーカッション・アンサンブルによる新機軸の音楽が登場した! パーカッション奏者、ルイジーニョ・ド・ジェージ(Luizinho do Jêje)が率いるグループ、アギダヴィ・ド・ジェージ。結成から15年を経て2023年11月にファースト・アルバムを、デジタルとアナログ盤でリリースした。


 ルイジーニョ・ド・ジェージは、故レチエリス・レイチ(Letieres Leite)が率いたオルケストラ・フンピレズ(Orkestra Rumpilezz)のメンバー。フンピレズのアルバムをはじめ、レチエリスがキンテート編成で録音した2019年の秀作『O Enigma Lexeu』(2023年に日本盤CDリリース)、バイーアのピアニスト、マルセロ・ガルテル(Marcelo Galter)の『Bacia do Cobre』(2022年)、ジョアン・ドナートとジャルズ・マカレーの共演盤『Síntese do Lance』(2021年)、チアゴ・アムーヂの『São』(2021年)といったホシナンチ(Rocinante)レーベルからの諸作をはじめ、マリア・ベターニアの『Mangueira A Menina dos Meus Olhos』(2019年)、ジルベルト・ジルの息子と孫のトリオ、ジルソンズの『Pra Gente Acordar』(2022年)にも参加している。近年の活躍が目覚ましく、コロナ禍の時代を逞しく通り過ぎてきたアフロ・バイーア・リズムの重鎮だ。 

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