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[2020.09]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ②】ヴァイオリン、教会の坊さん、「洗礼者ヨハネに捧げる踊り」 ―ミクロネシア・ヤップ島のカトリックと音楽―

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)

 大航海時代、世界各地にカトリックを広めたのがイエズス会士でした。F.ザビエル (1506-1552)もその一人。この頃、宣教師たちはモノフォニー(単旋律)のグレゴリオ聖歌に加え、ポリフォニーのミサ曲等もうたっていました。複数のパートが同等に進行するポリフォニーに対して、メロディと伴奏からなるのはホモフォニー。宣教師たちは、耳からも文化の違いを感じ取りました。そのサウンドスケープをドラマ仕立てにしたのが、1986年公開の英・仏・米の映画『ミッション』。18世紀後半の南米ラプラタ地域における先住民・グアラニとイエズス会士をモデルとしています。グアラニを象徴するのは、短く鋭いパンパイプスと太鼓の音。彼らが、宣教師の奏でる滑らかなオーボエのメロディに魅了される場面があります。西洋音楽中心主義的な描写には違和感がありますが、イエズス会士が世界宣教に音楽や美術の力を借りたのは事実。なお、日本を訪れたイエズス会士は、オーボエ系統の楽器をポルトガル語でチャルメラ cheramelasと記していました。

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