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Festival y Mundial de Tango BA 2022 タンゴダンス世界選手権 決勝 − 両部門ともアルゼンチンのカップルが優勝!!!レポート〜その3

文●本田 健治 texto por Kenji Honda

ステージ部門の詳細結果発表が、システム故障でリンクが外れていましたが、ようやく繋がりました。ご覧ください。それから、審査員の全員の名前も発表になりました。こちらもお読みください。

とりあえず結果速報です。
◇ピスタ部門チャンピオン 
Sebastian Bolivar y Cynthia Palacios
ピスタ結果詳細
◇ステージ部門チャンピオン
Ricardo Astrada y Constanza Vieyto
ステージ結果詳細
◇一般投票
ピスタ部門チャンピオン
Dana Zampieri y Carlos Estigarribia
ステージ部門チャンピオン
Leandro Capparelli y Andrea Kuna

タンゴダンス世界選手権のグランド・フィナーレが、9月17日(土曜)午後4時から、市の象徴であるオベリスコから5月広場を繋ぐディアゴナ・ノルテ通りを完全封鎖して開催された。超満員の観衆の中、選出されたピスタ40組、ステージ20組が熱戦を繰り広げ、最終的に上記の通り、世界チャンピオンが選ばれた。
 ピスタ部門はアルゼンチン南部リオ・ネグロ州のセバスチャン・ボリーバルとシンシア・パラシオスが優勝。ステージ部門はリカルド・アストラーダとコンスタンサ・ビエイトが優勝。一般投票ではピスタがダナ・サンパピエリとカルロス・エスティガリビアが、ステージはレアンドロ・カッパレリとアンドレア・クーナのカップルがそれぞれ優勝した。

左からリカルド・アストラーダとコンスタンサ・ビエイト、
セバスチャン・ボリーバルとシンシア・パラシオス

 9月17日土曜日、午後3時半から観客の入場が始まり、4時からまず楽団演奏などが行われ、まだ明るいうちにステージ部門の決勝が行われた。
 今回の世界選手権には、アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、コロンビア、ロシア、アメリカ、コロンビア、イタリア、ブラジル、中国、フィリピン、エクアドル、コスタリカ、ドイツ、ボリビア、メキシコ、日本、ベネズエラ、フランス、オランダ、スイス、トルコ、オーストラリア、イギリス、パラグアイ、カナダ、ニュージーランド、アルメニア、イギリス、韓国から560組以上のカップルが参加、文字通りの熱戦を繰り広げたが、上記のような結果となった。このイベントには、大会本部の発表では世界の50万人のダンサーが集まり、この日のために名勝負を繰り広げてきた。

リカルド・アストラーダとコンスタンサ・ビエイト
リカルド・アストラーダとコンスタンサ・ビエイト
惜しくも第3位に終わったディエゴ&アルダナ
セバスチャン・ボリーバルとシンシア・パラシオス
11位と善戦したロンドン& ソランヘ
アジアから決勝に進んできたリリー&ジェニサム

 アジア選手権も、今年はまだパンデミックの中、韓国からの11組を含めてかろうじて国際大会の名を守った形だったが、この世界大会もコロナ禍の見通しが明るくなるまでには一昨年は中止、昨年はインターネットでの参加も募って開催されてきた。アルゼンチンでも、今日の大会を仕切ってきた同じスタッフがブエノスアイレス市のコロナ対策のチームとなってコロナ撲滅に戦ってきたが、この世界大会でも、詳細の決定が遅いなど、事情を知らない無責任な人間たちからの脳天気な暴言に耐えながら、見事にこの日を迎えてきた。そのおかげで、この世界大会も無事、というより、想像以上の成果を上げて、この2年間の苦しみから抜け出して、大きな結果を手に入れた。

 なお、今年のピスタ部門の審査員は、クリスティーナ・ソーサ、ホルヘ・フィルポ、ナタリア・ゲームス、ファビアン・ペラルタ(2006年チャンピオン)、ノエリア・ウルタード、カルロス・コルテス、カロリーナ・ボナベントゥーラというタンゴダンサーや振付師で構成された。そしてエセナリオ(ステージ)・タンゴでは、ジセラ・ガレアシ、レオナルド・クエージョ、ピラール・アルバレス、ガブリエル・アンジオ、エドゥアルド・カプッシ、ロミナ・レビン、セルヒオ・コルタッソが審査員として参加した。

 詳細の結果は昨夜遅くに発表されたが、18日早朝の段階で、ステージ部門の結果詳細のリンクが不調になっているなど多少の混乱がある程度。まぁ、もうすぐ回復したらここでも発表することにする。でも決勝に参加した強力なカップルの中で、アジアのロンドン&ソランヘがピスタ部門の11位を獲得するなど、このラインナップの中では「快挙」といえる成果も上げてくれた。何しろ、マスコミ用の資料が配られるわけではなく、このイベントの取材は毎年苦労するが、資料が届き次第、この欄で続報をお届けしたい。

エセキエル&ユカ

(続き)

 昨年、コロナ対策ということもあり会場を野外にし、このオベリスコ近くのディアゴナル・ノルテ通り(アベニーダ・デ・マージョ)を封鎖して開催したところ、評判が良かったので今年もここで開催することになった。確かにステージの向こうにオベリスコが見えるシチュエーションは素晴らしいが、 ステージ脇にスクリーンはあるもののおそらく、これでは後ろのお客が詳細にステージの進行を観て楽しむには?の感じはする。それにしてもものすごい観客が集まるもの。感動的ではあった。

 15:30から会場が開けられて、一番前の席にはタンゴダンス界の大御所フリオ・ドゥプラとエドゥアルド・アルキンバウが招待されていた。この二人、いずれも長くタンゴ界を牛耳ってきたが、結構意見は違っていた。が、二人とも,現在のタンゴ・ブームがこの世界選手権人気と共にあることを喜び合っていた。グローリアの死という辛い時期を脱してようやく元気を取り戻したエドゥアルドにはたくさんのファンが挨拶に訪れた。

エドゥアルド・アルキンバウ
左がダンサーで作家のフリオ・ドゥプラ,右が芸術図監督を務めるナターチャ

 さて、16:00ピッタリからまず楽団の演奏と歌から始まった。トップバッターは90年代の後半、サンテルモのタンゴハウス全盛の頃、ミケランジェロと張り合っていた「カサ・ブランカ」というタンゴ劇場があって、マリア・グラーニャが目玉歌手で頑張っていたが、その後を継いで現れたのがノラ・ロカ。当時のグルーポ・ボルペの懐かしい演奏から始まったが、このビデオでは問題ないが、PAが酷いままで実際は厳しい幕開けだった。

そして、途中に現れたのが、昔から現在までブエノスアイレスでは変わらぬ人気を誇っているのがダリエンソ・サウンド。どんなイベントでもダリエンソの爆音が響くと会場が熱狂の渦に巻き込まれるは変わらない。現在はラサリの孫で若いファクンド・ラサリが率いる「ラ・フアン・ダリエンソ」に人気の面ではやや後退気味だが、故ラサリの時代からのこの「ロス・レジェス・デル・タンゴ」の圧倒的なサウンドは、今も健在だし、人気も高い。歌手にはシルビオからサンドラ・カバルまで実力派の歌手までステージを彩った。サンドラ・カバルは、エドゥアルドが日本のために作った2本のミュージカルで主役の女性歌手を務めた実力派。

 そして、今年のフェスティバル&ムンディアルのアイコン的な存在のマリア・ニエベス。オープニングのイベントでは挨拶だけだったが、この決勝の舞台では、歴史的なダンスを披露した。相手を務めたのは、タンゴ界のダンサー、シンガー、教師、振付師、俳優をこなすマルチ・アーティストのパンチョ・マルティネス・ペイ。数々のタンゴ・ミュージカルに主演、監督,振付などで活躍したが、ニエベスとフアン・カルロス・コーペスの生涯を描いた映画「ウン・タンゴ・マス」に出演したアーティスト。
今回は、この二人が、伝説のタンゴ「オイゴ・トゥ・ボス」を見事に踊って会場を熱狂させた。司会のカルリトス・リンは「彼女のおかげで、9月6日はタンゴダンサーの日になりました」と紹介した。

 そして、結果発表のトラブルがあって、遅れたエセナリオ(ステージ)部門の映像が先にアップされた。既報の通りレベルの高いコンペテティションをご覧あれ。ちなみに、世界チャンピオンはRicardo Astrada y Constanza Vieytoだが、彼らはブエノスアイレス州ペルガミノ出身。コンスタンサはもともとワインで有名なメンドーサ州の生まれで、コロナの間はメンドーサで練習し続けてきたそう。彼らはガスパル・ゴドイ舞踊団のメンバーでそれぞれ別なカップルで来日した仲間ということが判明。電話をすると、すぐにホテルを訪ねてくれたので話をしたが、コンスタンサがファビオ・ハーゲルの時に身重だったカルラの代役でガスパルと、またリカルドはオラシオ・ロモの楽団とガスパル舞踊団の一員として来日している。今回はガスパルの指導もあり、猛練習の末勝ち取った優勝だったという。ステージの顔とは別に、本当に優しさと笑顔の絶えない素晴らしいカップルだ。

コンスタンサとリカルド

 今年は全体的にレベルが高く、プロ参加が多かったから、なかなか上位に食い込むのが難しいとされたが、その中でアジアの代表たちは本当に善戦したと思う。

とここまで、棚田氏を中心にいろいろな情報からレポートしているが、なにしろステージ部門の採点表や、その前に繰り広げられた素晴らしいアトラクションの情報も、本部がアップ終了次第ここでお知らせする。

(ラティーナ2022年9月)

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