[2021.09]【シリーズ:ブラジル音楽の新しい才能③】 チン・ベルナルヂス(Tim Bernardes)
e-magazine LATINA によるブラジルのポピュラー音楽の中で頭角を現し始めた新しい才能を紹介するシリーズです。レポートは、ブラジル人音楽ジャーナリストのヂエゴ・ムニス。まずは、ブラジル音楽史に名を刻む偉大な音楽家の遺伝子を受け継ぐ才能から数名紹介します。
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ジョアン・ジルベルト、カエターノ・ヴェローゾ、マリーザ・モンチ、シコ・セザールなど才能を持つ数多くのアーティストが国際的な成功を収めた後も、ブラジリアンポピュラーミュージックは新たな声を獲得し続けています。 ポップな世界と伝統的な音楽の間を行き来する若い世代の音楽家は、過去を参考にしながらも、現代的な視点で表現しています。
初回のレポートでは、シコ・ブラウン、マリア・ルイーザ・ジョビン、チン・ベルナルヂス、ドーラ・モレレンバウムといった、伝統的なブラジル音楽のDNAを持ちながら、日本の音楽までも参照するアーティストたちとその作品を紹介します。
文●ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz)
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チン・ベルナルヂス(Tim Bernardes)として知られるマルチン・ベルナルヂス・ペレイラは、MPBの新しい中心人物の1人だと考えられています。1980年代を象徴したバンド「オス・ムリェーリス・ネグラス(Os Mulheres Negras)」で活動していた音楽家マウリシオ・ペレイラ(Maurício Pereira)の息子であるチン・ベルナルヂスは、家の中で、自分の天職を見出すことができました。
「父のコンサートに行って、たくさん音楽を聴いて、家にあったたくさんの楽器で遊ぶことができて、幼い頃から音楽に興味を持っていました。それに気づいた両親が、まだ読み書きを学んでいる年頃で音楽教室に入れてくれたことが、その後、自由に音楽と触れ合えるようになることに大きな影響を与えたと思います」(チン・ベルナルヂス)
↑ Tim Bernardes の父、Maurício Pereiraが在籍したバンド、Os Mulheres Negras
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