[2021.06]宮下ケレコン えりか【特集 私の好きなブラジル映画】
選・文●宮下ケレコン えりか
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【ブラジル映画について】
ブラジル映画との出会いは20年程前、リオデジャネイロのレンタル屋で借りた『Bicho de sete cabeças(七つの頭のケダモノ, 2000)』であった。精神科病院に入院させられた青年を演じた俳優が端正な顔をしていたこと、でもそれ以上にその演技力に度肝を抜かれたことを覚えている。映画の余韻をかみしめてエンディング曲を聴きながら、私は初のブラジル映画に完全にノックアウトされてしまっていた。(後で調べるとその二枚目俳優はホドリゴ・サントーロで、曲は映画のタイトルにもなった「Bicho de sete cabeça II(ジェラルド・アゼヴェード/ゼ・ハマーリョ/ヘナート・ホシャ)」であることを知った。)それ以降、「ブラジル映画すごいぞ」という興奮に突き動かされて、手当たり次第ブラジル映画を観始めたのだった。今回選び抜いた3作以外にもオススメしたい作品はたくさんある。そしてこれからもこちらの期待値を遥かに超えてくる作品がたくさん出てくるに違いない!
宮下ケレコン えりか●プロフィール
ブラジル好きが高じてポルトガル語を専攻。リオ州立大に一年間留学。日本でブラジル映画祭や招聘公演の企画制作に携わる。ブラジル映画を専門に東京外国語大学博士前期課程修了。現在はブリュッセルでも文化方面を開拓中。2児の母。
アクエリアス
『アクエリアス(原題:Aquarius)』
監督:クレベール・メンドンサ・フィーリョ(2016年製作)
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