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[2016.09]連載 小松亮太のタンゴ場外乱闘 #4 東京バンドネオン倶楽部の軌跡(後篇)

文●小松亮太 text by RYOTA KOMATSU

 小松亮太さんの著書『タンゴの真実』が発売されたことを記念して、過去の月刊ラティーナに連載した記事を掲載致します。


 東京バンドネオン倶楽部(以下TBC)の毎年の活動は、まず会場の確保から始まる。そもそも東京で土日または祭日の演奏会場を予約することは至難で、大概は半年あるいは1年前からの抽選だ。同時に本番の一週間前に約40名が出入り可能な最終リハーサルの会場を確保するのも容易ではない。

 それら日程が決まると、僕はすぐに選曲にとりかかる。何しろ二十名以上の奏者は初心者からベテランまで、年齢層は20代から80代だ。全20曲の難易度と、各奏者のレベルを照合し、担当曲を振り分けなければならない。更に熟慮を要するのは各奏者が、その曲の「どのパート」を担当するのか、という部分だ。この人選を誤ると、巧いか下手かという以前の「楽譜の解読」という段階で頓挫してしまう。彼らには常に本業と音楽活動とを両立させる上での「時間との闘い」があるのだから、初期段階で躓かせるわけにはいかない。

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