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[2016.08]連載 小松亮太のタンゴ場外乱闘 #3 東京バンドネオン倶楽部の軌跡(前篇)

文●小松亮太 text by RYOTA KOMATSU

 小松亮太さんの著書『タンゴの真実』が発売されたことを記念して、過去の月刊ラティーナに連載した記事を掲載致します。


 ときどき音楽やスポーツなどのエンターテイメントの世界で「プロ意識」とかいう格好のいい言葉を耳にするが、外部の人に「近寄りがたい世界」を印象づけるための特に具体性もない胡散臭い日本語、というのが率直な印象だ。そもそも向上心や誠意ある人は「意識」を他人に見せている暇があったら実質的な準備や鍛錬をしたいもの。観念があまり立派だと、実際のパフォーマンスがそれに釣り合わない場合には笑われるだけだ。

 翻って「アマチュア精神」なる言葉はどうだろう。私利私欲もなく、心から趣味を愛するディレッタントの姿を思い浮かべる人も多いだろうが、実のところ単なる自己主張や、アイテム(楽器や運動器具など)への物欲に憑かれてしまっている人も決して少なくない。こういった人は「プロじゃないんだから練習しなくてもいいや!」と三日坊主になるのが常で、これがギターや、あるいは草野球など一般的な趣味ならいいのだが、バンドネオンのように絶滅危惧種的なモノとなると話は別で、弾く意志のない人が希少な楽器を傷めてしまう(あまり放置するとカビが生える!)状況には目を覆いたくなる。

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