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[2022.2] 【島々百景 第68回】 浜比嘉島・宮城島・伊計島 (沖縄県)

文と写真●宮沢和史

 沖縄本島周辺の主要な島々にはフェリーを使って大体渡ることができる。西海岸を北部から見ていくと伊平屋島・伊是名島・伊江島・水納島・粟国島・渡名喜島・久米島・慶良間諸島。東海岸では津堅島・久高島がある。筆者が渡ったことのない島もまだまだ多い。北部では本部港・運天港、南部では那覇 泊港と各島々を結びたくさんのフェリーが行き来する。昨年は小笠原の大噴火に起因する軽石の漂着でいずれの港も一時フェリーが出航できず、人々のライフラインが滞った。奄美諸島や沖縄県の島々に広く漂着した軽石はフェリーだけにとどまらず漁業にも大きな影響を及ぼした。これは自然現象だから誰も責められないし、有史以前からきっと何度か起きている現象なんだろうから、海面を漂う軽石が細かくなっていずれ海底に沈み、長い年月が過ぎれば存在感が薄れゆくものなのかもしれないが、なんともよろしくない。あのグレーの色味は南西諸島に似つかわしくない。海岸に打ち上げられたものは順に撤去されているようだがそれはそれは大変な労力である。地元のご苦労は計り知れない。
 本島周辺の小さな有人島には徐々に橋が架けられ、船に乗らずとも気軽に渡ることができる。本部と瀬底島は瀬底大橋に結ばれているし、名護市の屋我地島から今帰仁村の古宇利島にも2005年に古宇利大橋が架けられた。沖縄天ぷらの有名店で人気の南城市の奥武島にも車で渡れる。そして、今回紹介する沖縄本島中部東海岸うるま市に点在する島々への小旅行は大変魅力的だ。

 津堅浜平安座 通い路ぬ港 通い舟乗やい 廻る美らさ
 車乗てぃいそさ 舟乗てぃんいそさ 潟原ぬ満干 平安座までぃん

  津堅島に浜比嘉島、平安座島 通い船に乗って巡ると なんと美しいこ
   とだろう
  車に乗って行っても 船で行っても楽しい 干潟の干満 平安座島まで

『与勝海上めぐり』 作詞作曲;我如古盛栄

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