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[2020.11]辺土名直子【特集 私の好きなアジア映画】

選・文●辺土名直子

沖縄映画への誘い

 幼い頃は、大人たちがご近所で集まることも多く、ブルーシートを敷いて、オードブルに持ち寄りの三合瓶に一升瓶、唄三線が夜更けまでお構いなしに鳴り響いていた。大学進学を機に大阪へ10年、沖縄へ帰ってきた時にはそんな光景は薄れつつあった。
 私は1976年生まれの44歳だ。沖縄口(ウチナーグチ)も話すことは出来ないし、「御願(ウガン)」(先祖崇拝や自然崇拝からの祈りの行事)
だって身についていない。でも、それらを直接学ぶことが出来るぎりぎりの世代だ。
 この島に生まれたものとして、沖縄戦体験者の話を聞かせてほしい、沖縄民謡レジェンド達の唄三線を聴きたい、
自然や先祖と共に生きる豊かな心を少しでも引き継いで、我が子にも伝えたい。
 生まれ島を深く知るということは、世界に向けて優しくなれる気がします。アジア映画シリーズ、私からは沖縄の歩んだ歴史、文化を色濃く映した沖縄映画を紹介させてください。

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