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[2022.2]【連載 シコ・ブアルキの作品との出会い⑲】誰も放っておかない若き美女を憂う子守唄 — Noiva da cidade

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura

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 今回は、1978年にアレックス・ヴィアニ監督が制作した映画『Noiva da cidade(街の花嫁)』の主題歌として委嘱され、シコ・ブアルキがピアニストのフランシス・ハイミと共同で作詞・作曲した作品「Noiva da cidade(都会の花嫁)」をご紹介します。1976年のアルバム『Meus caros amigos(親愛なる我が友よ。10回目でも収録曲を紹介)』の中に収められています。  

 この映画の大まかな筋書きは、主人公である若き有名女優ダニエラが、都会の生活に疲れを感じ、生まれ故郷に戻って田舎暮らしを取り戻そうとするものの、小さな街の男たちが美しい娘を放っておく訳がなく、また、彼女の帰郷を嗅ぎつけた地元政治家たちが、金銭などあらゆる手段を使って、彼女の影響力を利用し私物化しようと争うお話。シコ自身の後日談によると、リオの内陸側にある広大なミナス・ジェライス州にある、静かな街を数か所選んで撮影されたそうです。
 映画は78年に発表されましたが、残念ながらわずか6か所で上映された後、一般には配給されないままとなり、その後も映画祭といった特別な場で数回上映されるにとどまりました。40年近く経ち、撮影地の高齢者層の住民から、「撮影に協力したのに、映画を目にしたことがないのは残念」という声などもあって、ミナスジェライス州のテレビ局が一度放映したとのこと。

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