[2022.1]【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い⑭】もう一人の「イパネマの娘」を賛美した歌 - 《Lígia》
見出し画像

[2022.1]【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い⑭】もう一人の「イパネマの娘」を賛美した歌 - 《Lígia》

e-magazine LATINA

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura

※こちらの記事は、1/19(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。


 前回は、名曲「イパネマの娘」誕生の際のモデルとなった美女が実在し、イパネマのレストラン・バー「Veloso」の常連飲み客であるジョビンとヴィニシウスが、毎日見かけていた人物(エロイーザ)であったというお話をご紹介しました。実は、もう一人のイパネマの娘とでも申しましょうか。イパネマの娘のヒットから6年後の1968年、ジョビンは、この「Veloso」というお店で出会った別な女性にも気を寄せ、素敵な歌に昇華させています。
 後にジョビンの友人でもある人気作家フェルナンド・サビーノの夫人となる、リジア・ジ・モライスが、その人でした。教師であったリジアは、身長175cmの長身で、緑色の瞳が美しい女性。1968年のある日、雨降る午後、仕事帰りに女性友達と「Veloso」でくつろいでいたところ、別な席で飲んでいたジョビンが、彼女を見とがめ、話しかけてきたのだそうです。

画像3
リジアがジョビンと出会ったレストラン&バーVelosoの写真。今日、店の名前は、名曲のヒットにあやかって「Garota de Ipanema(イパネマの娘)」となっている。

 リジアは、学校の授業が終わり、今ここで友人とくつろいでいると応えます。一緒に店に来ている友人のセシリアが洋裁を生業とし、ジョビンの妻テレーザにも洋服をよく納品していた関係にあることから、ジョビンの素性を既に知らされていたリジアが、その後「しかし偶然ですね。お宅のベッチ(ジョビンの娘エリザベッチの愛称)は、私の生徒なんです。」と告げると、一瞬驚いた表情を見せたジョビンは、「こんなことは初めてだ。美しい女性だからと、ナンパしようとしたら、それが教師と保護者の会議と化してしまうなんて……」とジョークを飛ばし、明るく振る舞ったのだとか。

画像1
ジョビンと出会った頃のものとされる、リジアの写真

この続きをみるには

この続き: 2,253文字 / 画像2枚
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…

「スキ」、ありがとうございます!
e-magazine LATINA
広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に。あなたの生活を世界中の多様な音楽で彩るために情報を発信します。 月額900円のデジタル定期購読で、新規記事もアーカイブも読み放題! (※アーカイブは増減する場合があります)