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[2020.12]映画評|『ニューヨーク 親切なロシア料理店』 『この世界に残されて』|家族から切り離された孤独な心が結ぶ、他人との緩やかな関係が生み出す希望とは。

文●圷 滋夫(あくつしげお/映画・音楽ライター)

 いつの時代でも、映画には家族が描かれる。そこには深い愛と強い絆、そして穏やかな安らぎがあり、これまで多くの観客の胸を熱く揺さぶってきた。しかしいつからか家族の在り方は多様化し、その関係性も変化してきた。今や綺麗事だけでは語れない断絶と絶望によって、家族が崩壊してしまうことも少なくない。また何らかの理由、例えば戦争や災害、事件などによって、家族との関係が突然断ち切られてしまうことだってあるだろう。

 こうして家族から切り離されてしまった孤独な心は、それでも見知らぬ誰かと心を繋いで生きてゆくしかない。それを望もうが望むまいが、人は独りでは生きられないのだから。しかしそんな赤の他人との絆だって捨てたもんじゃないし、むしろ血が繋がっていないからこそ築くことが出来る、適切な距離感の心地良い関係性だってあるのだ。ここではそんな関係が築かれる迄を描いた二本の映画を紹介しよう。


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