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[2021.10] ナイール・ ミラブラットの新曲はなんとエドゥアルド・マテオの未発表曲! 1stアルバム『Juntos Ahora』 の日本独自企画CDは明日リリース!

 明日、ブラジルの若き鬼才アントニオ・ロウレイロ(Antonio Loureiro)がプロデュースしたナイール・ミラブラット(Nair Mirabrat)の傑作1stアルバム 『Juntos Ahora』のCDリリース日です。
 日本企画の世界初CD化で、CDというメディアに最適化するために、アントニオ・ロウレイロやナイール・ミラブラットの才能にいち早く注目してきた高橋健太郎氏に、リマスタリングをお願いしました。ぜひ、CDプレイヤーにCDを乗せて聴いていただきたい1枚となりました。

 ナイール・ミラブラットは、ウルグアイのモンテビデオ出身の作曲家でギタリストのマルティン・イバラ(Martín Ibarra)がリーダーのユニットで、マルティン以外の固定メンバーはいない。「Nair Mirabrat」というのは、「Martín Ibarra」のアナグラムであり(アナグラム:言葉遊びの一つで、単語または文の中の文字をいくつか入れ替えることによって、全く別の意味にさせる)、インタビューでも「マルティン・イバラのオルター・エゴ(他の我)」であると答えています。

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■アルバム発売を記念した特設ページ。

 ここからは、ナイール・ミラブラットの新曲に関する話題を紹介します。
↓こちらの曲です。この曲が実は、死後も評価は高まるばかりのウルグアイの孤高の天才SSWエドゥアルド・マテオの未発表曲なのです。未発表曲が見つかって、ナイール・ミラブラットが録音するに至ったストーリーを紹介します。

 マルティン・イバラは、「この曲を聴いて泣きましたというコメントを沢山もらいました」と言っています。「エドゥアルド・マテオが、このように現代的なメッセージとともに戻ってきてくれるのは、いいことですね」

 エドゥアルド・マテオに続くウルグアイの才能と注目されたSSWのピポ・スペラ(PIPPO SPERA)は、エドゥアルド・マテオとも交流がありました。1970年代初頭、マテオとピポは一緒に、瞑想についての集会に参加して、瞑想法を覚えました。

 マテオは、瞑想法を通じて感じたことにインスピレーションを受けて、曲を書きました。その曲は、「目覚め」「手放すこと」「花に水をやること」を歌っていました。マテオは、印象的なその曲を、何度も友人たちに歌っていました。

 ピポ・スペラもこの曲のことを1990年代の初めまで忘れていました(マテオは1990年5月に49才で亡くなっています)。でも、70年代に同じマテオやピポと同じサークルにいた友人に、「例の曲はマテオが録音したの? 」と訊かれました。ピポが「録音されていないし、どんな曲だったか全部は覚えていない」と答えると、訊ねた友人は「私は覚えていて、今でも時々歌っているのよ」と言いました。ピポは、友人に、カセットでア・カペラで録音して郵送してくれるように頼みました。

 そのテープを受け取って、再び聴いた時に、ピポは深い感動を覚えました。思い出して練習して、テープに録音して、正式に録音するタイミングを待っていましたが、そのタイミングは訪れないまま約30年の時が経ってしまいました。

しかし、ピポと、ナイール・ミラブラットのマルティン・イバラ(Martin Ibarra)が出会い、ナイール・ミラブラットの音楽を聴いたピポは、マルティンこそがこの曲を生まれ変わらせ、世界に披露すべきミュージシャンだと直感しました。ピポは、マルティンに自分が録音したテープを渡し、この曲をアレンジして録音してくれないかと依頼しました。

「ピポは、私の音楽を聴いて、マテオの世に出すべきなのは私だという呼びかけを感じたそうです。私と話さなければならないと連絡してきてくれました」(マルティン・イバラ)

 ピポとマルティンは、密にコミュニケーションをとりながら、この美しいプロジェクトを完成させました。

 マテオが友人たちと歌ったこの曲の温かく親密な雰囲気を尊重し、マルティンは、ピポと自身だけでなく、信頼するウルグアイの才能、マルティン・ブスカグリア(Martín Buscaglia)とサラ・サバ(Sara Sabah)にも声をかけ、歌ってもらい、録音は完成。エドゥアルド・マテオが、1970年代初頭に作曲し、一度も録音されていなかった楽曲が、このように私たちも聴くことができるようになりました。

(ラティーナ2021年10月)


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