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[2020.10]坂本美雨|アイスランド、「自分だけの聖域」としての音楽を求めて【特集 都市物語】

取材・文●安東嵩史

坂本美雨●プロフィール
5月1日生まれ。
音楽に囲まれNYで育つ。
1997年「Ryuichi Sakamoto featuring Sister M」名義でデビュー。以降、本名で活動を開始。
音楽活動に加え、執筆活動、ナレーション、演劇など表現の幅を広げ、ラジオではTOKYO FMを始め全国ネットの「ディアフレンズ」のパーソナリティを2011年より担当。村上春樹さんのラジオ番組「村上RADIO」でもDJを務める。
おおはた雄一さんとのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」待望のファーストアルバム「よろこびあうことは」が2020年6月11日にリリースされた。
動物愛護活動に長年携わり、著書「ネコの吸い方」や愛猫“サバ美”が話題となるなど、"ネコの人"としても知られる。
2015年、出産。猫と娘との暮らしも日々綴っている。

坂本美雨_photo

photo:前 康輔


—— 今回の特集に「アイスランド」をお選びになった理由から教えてください。

坂本美雨 端的にいえば、東京で生まれてニューヨークで育って、音楽を始めて……という自分のルーツの中にはなかった風景なんですよね。だからこそ印象が強かったし、今回のお話を聞いて、ここだと思いました。

—— 行かれたのは2008年とのこと。きっかけは何だったんですか?

坂本美雨 もともとは13歳くらいの時にビョークを知って「ああ、アイスランドって国の出身なんだな」というイメージを抱いている程度の興味だったんです。でも、20歳の頃にシガー・ロスが出てきて、「こんなに美しい音楽があるのか」と思って。ビョークという人は圧倒的な「個の天才」という感じですが、シガー・ロスにはもっとアイスランドの風景や自然から生まれる音像のようなものがあって。初めて、「この風景を、自分の目で見てみたい」と思ったんです。
 それ以来、ずっと「行きたい!」と言っていたら、雑誌『PAPER SKY』が特集の取材に誘ってくれて。

—— 実際に行ってみて、いかがでしたか?

坂本美雨 私が担当したのは3泊で現地の音楽シーンを巡る旅で、首都のレイキャビクがメインだったので、実はシガー・ロスの風景を見に行くような余裕はなかったんですよね。とはいえ、レイキャビクに3軒くらいしかないレコードショップを訪ねたりして、取材は楽しかったんですが。

画像2

アイスランド首都 レイキャビク

画像3

アイスランドのブルーラグーン

—— 3軒とは。街がコンパクトにまとまっているんですね。

坂本美雨 驚いたのは、日本のように「音楽業界」みたいなものがなかったんですよね。12年前の話なので、今は変わってもいるかもしれませんけど、当時はレコードショップからアーティストが音源をリリースしたりしていて、バンドを掛け持ちしてる人も多かったり、「あいつが今、メンバー募集してるらしいよ」みたいな情報がレコード屋で回っているような環境がほぼすべてだったんです。私が行った時にはイベントをやっていて、中学生バンドがガレージポップのような音楽を演奏してました。小さい単位だけれど、ヘルシーな雰囲気で音楽が生まれているんだなと感じましたね。

—— 全体がインディシーンのような。

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